本日のレコメンド回。 私は最近のオススメ百合作品として横槍メンゴ先生『レトルトパウチ！』をご紹介予定。 "恋を超える友情"をテーマにレコメンドしようかと思っています。

そんな千春と真夜の間の微妙な空気を察した伊澄が二人のために行動を起こすのですが。 口うるさい風紀委員の先輩に過ぎなかったはずの千春が、いつしか校則破りの常習犯・伊澄にとって特別な存在になっていたという展開がとても素敵な『あの娘にキスと白百合を②』。

タブルキャストではないのですが、学生時代に同じ演劇部に所属していた二人の女性が、共にブロードウェイの女優となり、ライバルとして、また学生時代から続くこじれた愛の相手として心の中で互いに強く意識しながら生きていく様を描いた演劇百合、有吉京子先生『アプローズ－喝采－』が好きです。

美生の一言によって更に変わっていく二人の結末はぜひ本書でお確かめください。 百合ではないですが美生以外の二人の姉の恋模様もそれぞれとても感動的なのでオススメです。

一里の独白を受け止める栄子の涙も素敵。

志村貴子先生『淡島百景』。 プライベートでは誰よりも沙織の近くにいるかよが、互いに代役をつとめ合うなど舞台の上の特別な関係で結びつく沙織と実花子の二人を羨望をもって見つめるシーンなどなど。 現実空間とは違う舞台上の特別な関係について話しつつ、

あの人が今どうしているのかを思いながらその思いの中に自分がいればいいのにと願ってしまう自分や、

みもと先生『恋する名画』。 最新話はクロード・モネの『ラ・ジャポネーズ』を下敷きにした、内向的な日本人女子はなめと外交的なオランダ人女子ハンナの海を越えた百合回でした。 幼少期の思い出を胸に抱き続けたハンナからはなめへの時を越えた百合もあり、とても素敵な読後感。

次回の高畑弓先生『死なないで！明日川さん』。 不良少女・大狼さんがどうなるかとても気になっています。

輝子の才能を信じる編集者の新村美咲や、輝子の努力を知り励ますアシスタントの松宮いづみなど。 それぞれに報われないものがあってもがく登場人物たちが、輝子に自分を投影しつつ彼女を熱く肯定し前に進んでいこうとする姿がとても素敵な作品です。

桜沢エリカ先生『ラブ・ヴァイブス』(2002年)といった渋谷を舞台にした作品群を思い出しました。 00年代前半まで見られた渋谷舞台の百合作品がとても好きです。

古宮海先生『可愛そうにね、元気くん』最新話。 鷺沢守への恋を叶えることはできなくとも、別の形で彼女を想い続けるという牛島さきこの独白が切なくも素敵でした。 女同士だから、という以前に嗜好が異なり過ぎて交わらない二人の関係の描き方が残酷ながらも優しい読後感。