これ(1963)が当時はタイムリーであり、今ではさっぱりわからない。たとえば今日、大谷翔平がロボットになるマンガの企画は通るまいが、当時はそうではなかったのである。いかに「野球」「長島」が強固な価値を持っていたかわかる。現実とマンガの境界線のユルさ、曖昧さも。
オリジンのドズルやシャリア・ブルが、過剰に「マンガ」だったことは指摘しておきたい。本来そうではなかったのであり、そうすることが望ましいと安彦良和は思っていたのだ。それはおそらく「人間」は描きたくとも「格好良い軍人の典型」などは描きたくないという世代的な態度のあらわれなのだろう。
優れたマンガというのは大抵こうした途方もなさがあって、計算では絶対に出ない。どんなストーリーテラーがこの回の脚本を頼まれたとして「この丸太に掴まるんじゃ!」というパワーワードは出てこないだろう。なぜ丸太なんだ。掴まってどうするんだ。そんなのどうでもいいから早く続きを見せろ!
体重30kgの子供の自由落下における終端速度は、腹ばい姿勢で約41m/s(時速約149km/h)直立姿勢で約67m/s(時速約243km/h)程度と推定されます。…だそうなので、パーマン主題歌の91キロとか119キロとかは結構リアルな数字なのかも。