たまたま買ったビッグコミックオリジナル誌(1976年6月1日増刊号)にバロン吉元先生のとんでもない漫画が載っていて作者名3回くらい見直しました。しかも最後のコマが谷岡ヤスジ先生の漫画に続いています。
さいとうプロを支えた3人のチーフアシスタントの一人だった石川フミヤスの「断末魔」(1960年)。貸本探偵アクションにリアリズムを導入しすぎて後味の悪い結末になっています。貸本全盛期は各作家の劇画観による実験作が多かったですが、リアル描写こそ劇画という石川フミヤスの劇画観が表れています。
昭和22年の赤本漫画ですが唐沢なをき先生の漫画みたいな内容。アヲキスエヲ「忍術太郎漫遊記」(昭和22年7月)。曙出版の最初期の漫画単行本で土屋弘社長の好みの作風かもしれません。絵を見るとかたびらすすむにしか見えないのですが青木末雄という作家は別におり、真似にしてはうますぎるので謎です。
「柔侠伝」第二話のエピソードは「ククルス・ドアンの島」みたいな話で、こういうのが好きな人はしっくりくるのではないでしょうか。
バロン吉元「柔侠伝」は明治から四世代に渡る武道家ファミリーのシリーズ第一作です。同じ世代交代漫画のジョジョの奇妙な冒険ファンにもおすすめです。柔術師匠の父親を投げ殺して新たな人生を切り開いたディオのような暗い生い立ちの男がジョナサンの様に義と情に生きる話です。
大晦日らしく安部慎一「除夜」を読んでいます。献杯断っていた親父さんが話し込むうちに自分の酒を勧める描写が素晴らしいです。