リイドコミック1986年連載開始の「道連れ弁当」でも取材抜け出してパチンコ屋に行く描写があり、このキャラクター設定は1983年連載開始の「美味しんぼ」の影響かと思っていましたが、ありま猛先生が本来描いていたキャラクターの性格のようです。
貸本時代のモンキー・パンチ(加東一彦)の絵の変化。1枚目が昭和34年、2枚目が昭和37年。線が鋭くなっている。作品の傾向としてアクションものは「プロ対プロ」、怪奇ものは「どんでん返し」を重視していてルーツは感じられる。
川勝徳重先生の「柳が泣いている」は全174ページで、普通の貸本単行本などより長編ですが非常に臨場感があり江戸の上野を歩き回っているような気分になれます。これくらい面白い作品はなかなかないのでは。
昭和33~5年頃のつばめ出版の怪談や十字路などの貸本誌に短編を描いていた池三平という作家がいて、この人はコマぶち抜きを多用した凝ったコマ使いや乱れのない線で雰囲気のある描写をしているところが特徴的で好きな作家だけれど話が全く面白くないところが残念なところ。
コミックmagazine昭和42年2月号樹下太郎/臼杵三郎(あすなひろし)「殺してごめんなさい」。出世のため歌手志望の女と手を切ろうと歌詞と偽り遺書と毒入ジュースを用意するが紙を飲み込まれる。この人はコミカルな女性を描くのがうまい。
モンキー・パンチが影響を受けたというモート・ドラッカーはMAD誌で1961年から約50年間映画やテレビドラマのパロディを描き続けていた。これはルパン三世が始まる少し前から日本でも人気があった0011ナポレオン・ソロのパロディ。
漫画アクション昭和43年8月10日号 小島剛夕「おぼろ十忍帖」。小島剛夕はこの時期までカムイ伝の絵を描いていたのでカムイ伝風。主人公のくノ一の名前「おぼろ」は山田風太郎「甲賀忍法帖」のヒロインと同じ。画像3枚目貸本作品「紅ばらの里」(昭和39年)などで既に登場している。
週刊漫画TIMES昭和32年1月~昭和33年12月連載(全66回)松下井知夫「星から来た男」。青年億万長者の星柄北男は世の中の全てに飽き飽きして何事にも心を動かされないが、ある夜きまぐれに助けた女パールの付き添いの三下モツ公はそんな彼を「星から来た男」と呼ぶ。
竹のママは筋道の通った諭すようなセリフや激しい言葉を投げつけたりしますが、こういったところは常山孝先生のキャラの個性だと思います。その他、老人や個性の強いキャラは常山孝先生が描かれることが多いようです。
マニアぐるうぷ(モンキー・パンチ)「ピンク・ガードマン」は最後に007が登場するが、これはモート・ドラッカーのナポレオンソロパロディ回と同じ展開。モンキー・パンチの描く007の顔はドラッカーの007パロディ回のほうの顔を使用。