しかし身内の死で激しく動揺し、孤独を恐れるというのも今やルフィの大きなコンセプトの一つ。
奇しくも「一人になるのは痛みよりも辛い」という観念の要素は、異色作なオマツリ男爵で予期するかの様に描かれていた。
家族を失ったウタや孤独の恐怖に殺された男爵は、もう一人のルフィとしての陰画だ。
『FILM RED』、ウタの最後を悟った時のルフィのリアクションがエースの時とは全く違うのが印象的。
まるでビビとの会話で冷静に「人は死ぬぞ」と言い放った、あの頃の時間軸のルフィの様だ。俯瞰して物事を見る、初期の頃に近い肝の座り方がある。
ほぼ全編で怪物としての威厳を保ち続けたヨハンだが、最終話では母親に対するトラウマと、コンプレックスともとれる過去の記憶が吐露された
ラストに垣間見せた人間的な一面は、物語全体のオチと言っていい
正しくヨハンは“怪物であり人間でもある”という、その境界線を最も体現したキャラクターだ。
『MONSTER』作中では、フランツ・ボナパルタが著した絵本という設定で『なまえのないかいぶつ』が登場する。
ヨハンの心理に影響を与えた寓話の中の“かいぶつ”は、作品観を象徴する純粋な存在だ。
それ自体がアイコン的であり、「偶像」としての怪物のイメージをより際立たせる効果があった。
ストロングワールドの内容は残念だったけど、悪役であるシキは面白いキャラだったと昔から思っている
宿敵ロジャーに固執して新しい時代を受け入れられない老人が、若い世代に打ち負かされる構図もワクワクだ
ここら辺のテーマは金獅子の名も出た、ゲームのアンリミテッドワールドRが上手く描いていた
作中、謎の人物として過去の記憶に現れるフランツ・ボナパルタは、ヨハンという怪物を造り上げた元凶・黒幕としてその存在が示唆される。
過去での得体の知れない所業は、ヨハン以上の怪物として想像力を掻き立てたが、その実体は視点を変えれば、等身大の“人間”でもあるという事実を突き付けた。
ヨハンの崇拝者であり、傀儡となったロベルトは数々の人間を手に掛けていく追跡者。
その不意に現れる立ち回りや、盲信のままに淡々と喋る様が不気味であり、ヨハンに次いで怪物としての神性を感じさせるキャラクターだ。
ふと思ったけどワンピースのビッグ・マムって、ラピュタのドーラの影響がかなり入ってると思う。