ジャンプ版ではギャグマンガとしての面が強かったデロリンマンだが、オロカメンの描写を含めマガジン版ではその作風は重みを増し「人間の幸福とは何か?」といった哲学的テーマをも帯びていく。
そしてジャンプ版のラストである『黒船編』は、その作風の変化の間を埋めるミッシング・リンクと言える。
当初の少年ジャンプ版でのオロカメンは一個人であり、まだ後の作風を代表する様な大きな存在ではない
マガジン版で新たに始まった中でのオロカメンは、デロリンマンにしか見えない内なる存在、オルター・エゴとして描かれる
散々物申してきた説法も、デロリンマンの不信から生まれた自問自答という訳だ
デロリンマンと云えば、最も面白いのが"オロカメン"の存在だ。
デロリンマンの愚行を見下ろしながら、「オロカモノメ!」と高い位置から物を言う謎の仮面の黒マント。
オロカメンがデロリンマン、或いは読者に説く説法は、ある種の面では世の中の真理を鋭く突いて見せる。
漫画版での決着方法は、隠れていたフリーザが最後に美味しい所を持っていくというものだが、ここはかなり鳥山明らしい捻りだ。
だが先に放送されたアニメ版でのドストレートな決着を見せられた後だと、どうしても色褪せて見えてしまう。
漫画版びいきの自分にとっては複雑な心境で参った話でもあった。
漫画媒体では太刀打ち出来ないこれらの要素はちょっと反則的でもある
なにより悟空とフリーザの宿敵同士が協力して並ぶという絵面の衝撃
ベジータとは合体はしても、並んで共闘するというのが無かったから尚更だ
漫画ではフリーザの立ち位置はベジータであり、本来の順序でいえばこちらが正解だろう。
今ではちょっと入手困難な忠津陽子の漫画『ハロー!王子さま』
同時期のキャンディ・キャンディや、はいからさんが通るに比べると女性キャラの斜め角度の頬がふっくら丸い曲線で描かれていて、今見ても可愛いと思える
男性ウケする美少女絵デフォルメの兆候があり、初期の高橋留美子のバランスにも近い
出版元のIDW社は有名作品の版権を持っており、他にもゴーストバスターズやタートルズが共演するタイトルや、ポパイ等もクロスオーバーに絡ませるのが面白い。
TFvsG.I.ジョーのラストでは、異世界に飛ばされて焼け焦げたメガトロンが、初期の「マイリトルポニー」の世界に辿り着くオチが愉快である。
ワンピース10週年記念で寄稿されて描かれた徳弘正也先生のルフィ。
ターちゃんでの画力を知っていると、一瞬利き腕を負傷し左手で描いたのかと思ってしまったが、恐らく何かしらのジョークだろう。頭頂部を締め付けてるかの様な麦わら部分がジワる。
すぐ下の鳥山明ルフィとの丁寧さの落差がスゴい。
基本は格闘バトル物だが、これ程シリアスとギャグのバランスが独特な漫画も当時は珍しかった。
特にインパクトがあるのが、随所に挟まれる高度な下ネタギャグ。
初めて読んだのが小学一年生の時だったから、所々意味は理解していなかった様な気もする。
今のオジサン感性で読んだなら爆笑物だ。
『ワンピース』の尾田栄一郎がアシスタントを務め、一番の師と崇めた漫画家"徳弘正也"。
ジャンプで連載されていた代表作『ジャングルの王者ターちゃん』はなかなか思い出深い。
人体デッサンの上手さと筋肉の描き込みの細かさに大きな特徴が現れていて、とにかく情報量が多い画風という印象が強い。