『シャーマンキング』でパッと思い浮かぶキャラと言えば、何故か田村崎がまず出てきてしまう。
優男なメガネモブ脇役かと思ってたら、バルカンを扱う戦闘秘書ってのが当時はちょっと痺れた。
初期の猫目な絵柄の頃のロキ君も子憎たらしさが出ててなかなか可愛いですが、やはり馴染みがあるのは後半期や続編の『RAGNAROK』の頃の洗練された絵柄ですかね。
特に重要なのは少年主人公よりも、メインヒロインの方が背が高いというのが可愛さが引き立つショタ漫画の大事なポイントなのです。
突然ですが私の好きなショタ系漫画の金字塔、『魔探偵ロキ』をご紹介致します。
木下さくら原作のこの漫画の最大の魅力は、とにかく主人公のロキが可愛い事に尽きますね、ハイ。
アホ毛に短パンルックなデザイン等、色々と突き刺さるフェティシズムを青春時代の私に植え付けてくれました。
だがまあ、単純問題いくら自己愛があっても、"自分がもう1人いる"と想像したらその関係性が上手くいくとはとても思えない。
こういった他者との半身愛テーマは、作劇的にも衝突と対立があるからこそ面白くなる。
『チェンソーマン』はソコを巧く突いていた漫画だ。
稲垣足穂が『少年愛の美学』で「異性が半身とすると、同性愛はいっそうその通り、原型であり理想だ」と言っていたのが印象深い。
『風と木の詩』で主人公セルジュは、ヒロイン・ジルベールに自己を見出だし、『日出処の天子』の厩戸王子は、最愛の毛人に「我々は元は一つであった半身同士だ」と説く。
「太古の昔、人間は男女で一体であった。その失くした半身を求める心が恋である。」というのはギリシャ神話のアンドロギュノスの説明から始まる一説だが、物語におけるヒロイン論を展開するなら普遍的に当てはまる価値観ではなかろうか。
男女の夫婦を結合させた、あしゅら男爵とかもう究極生物だろう
まだ最期は迎えてはないが、近年稀に見る邪悪な狡猾さを見せた『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉は、この手の描写で最も優れた幕引きをしてくれそうな悪役の筆頭だろう。
様々な曲者が登場する作中人物の中でも物語を牽引するパワーがダントツで強い存在であり、見る者をその魅力で惹き付ける引力も凄い
鬼という名の悪役達の死を描いた『鬼滅の刃』だが、やはり突出した出来なのが鬼舞辻無惨の最期だろう。
討ち倒された後に炭治郎の体に巣食い精神世界の場で尚も足掻くその様は、まるで主役と悪役による片想いのラブロマンス劇の様だ
一枚絵としても完成度の高い場面であり、嫉妬を覚える程に出来が良い
使命の為ならば泥を被る事も厭わない高潔な精神性とも取れるが、内心では底辺ヒーローのロールシャッハを見下すという世界一頭が良い故の傲慢さが悪役たる最大の所以だろう
亡きロールシャッハの手記によって悪事が明るみになるのが示唆されるラストとなるが、その末路が描かれない最期が秀逸であった
柿崎のインパクトに隠れがちだが、『野望の王国』真のラスボス、白川天星の造型も秀逸だ。
主人公達の協力者だったが柿崎達強敵亡き後のタイミングを見計らい、漁夫の利を狙う蛇の様な狡猾さを持つ
合間合間の耽溺描写やその最期も含めて、結構ベタなタイプのナルシスト美形悪役キャラクターでもあった
全編に渡って状況をかき乱す最大の宿敵・柿崎だが、終盤直前に死亡する役割なので意外にもラスボスではない
全身蜂の巣になりやっと息絶える生への執念からなる最期が凄まじい
ラスボスの名前は毎回忘れても柿崎憲の名前は瞬時に出る。そんなインパクトを無意識に植え付けた名悪役キャラクターであった
自らの行いのしっぺ返しをの為に突発的な最期を迎えた訳だが、常に余裕の態度を崩さなかった内海が敗北を自覚して動揺を見せたその瞬間から、転落という末路へのカウントダウンは始まっていたと言える
最期だけではなく全てにおいて秀逸な造型は、漫画史の中で最も完成度の高い悪役だったと断言出来る