今回の師匠キャラ達は皆"戦闘者"という括りで纏めてみたが、スポ根漫画に登場するコーチや監督などにも非常に近い性質がある。
『巨人の星』での星一徹のスパルタ教育を始めとして、『エースをねらえ!』の宗方コーチや『SLAM DUNK』の安西先生など、スポーツ物だけでもそのタイプは様々だ。
今まで陽の目を見なかったのが信じがたい程に重要な位置にある『黒船編』だが、同時収録されていたリブート作『平成編』も面白い出来だ。
勢いで突き進んでいた初期に比べると、その構成は丁寧な積み立てを感じられる。
だというのに、雑誌自体の廃刊で打ち切られたのが実に惜しい。
作中に登場したオリジナルライバルキャラ、神月かりんは「ZERO3」にも逆輸入された最も面白い造型のキャラクター。
ゲームでは高飛車な印象が強いが、原作だと覇道を極めんとするストイックな性格付けをしているのが特徴。
自分の中では、KOFの女版ルガールみたいなちょっとカッコ良いイメージがある。
過去の回想で説明しない鳥山明のやり方は、原作漫画でも顕著であり、あっても亀仙人がピッコロ大魔王を語るくだりの数コマくらいだ
未来トランクスの過去編では、本編と分けてガッツリと描く
『ブロリー』にしろ、現在と過去を行き来させず、話をテンポ良く見せる点では、こちらの方が有効であろう。
ストロングワールドの内容は残念だったけど、悪役であるシキは面白いキャラだったと昔から思っている
宿敵ロジャーに固執して新しい時代を受け入れられない老人が、若い世代に打ち負かされる構図もワクワクだ
ここら辺のテーマは金獅子の名も出た、ゲームのアンリミテッドワールドRが上手く描いていた
『MONSTER』作中では、フランツ・ボナパルタが著した絵本という設定で『なまえのないかいぶつ』が登場する。
ヨハンの心理に影響を与えた寓話の中の“かいぶつ”は、作品観を象徴する純粋な存在だ。
それ自体がアイコン的であり、「偶像」としての怪物のイメージをより際立たせる効果があった。
その後はベジータを上回る様々な強敵達が出現し、その過程の中でベジータは悟空に対する執着とコンプレックスを深めて行く。
追い越される者の葛藤や反骨精神といった内面描写は、ある意味悟空よりも主役らしくあり生々しい。
これは今までの好敵手達とは少し違う、新しい形のライバル描写と言える。
ジャンプ悪役で認知度が高く悪逆なイメージも強いのは『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーだ。
第一部で主人公ジョナサン・ジョースターの家の養子として登場し、少年期からジョジョと対立を深めて行く導入と其の過程は、紛れもなくライバル関係を見所として描いたドラマだ。