『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は悟空以外のキャラクターが主役なスピンオフという、超異例の試み。
後年、鳥山先生が一番好きなのがピッコロっていうのが意外でなんか良かった。
思い返すと、ブウ編でもピッコロさんをなるべく活躍させたいという、試行錯誤が窺える。
キャサリンとして仲良くなれても、男としてはなかなか近付けない事に悩む岡間だったが、次第にキャサリンは偶像化していき時には恋敵、そして真なる想い人="自己愛"を象徴する存在となっていく
『のぞき屋』や『殺し屋1』で才覚を現した山本英夫の作風だが、この時点でマイノリティの業を描いていた
戦うヒロインの元祖サファイアの相手役は、隣国の王子であるフランツ・チャーミングだ。
デザインからも分かる美青年の設定と尚且つ精神も高潔であるフランツは、スタンダードな王子様像を見せる。
古典ディズニー映画の王子様では見られなかった、ヒロインに対する"甘い言葉"を囁くのも特徴だろう。
日本の少年漫画の固有の様式では、敵を倒す際の演出というものが重要視されている。
仲間同士が力を合わせて敵を討ち倒し、読者の高揚感を高めるという『聖闘士星矢』を代表とした見せ場は、少年ジャンプだけではない他の少年漫画雑誌にも共通するフォーマットとして定着した。
ヒロインとの強調された関係性や、富野監督のイデオンよりも遥かに早く先行したその終末観など、ザ・ムーンは「セカイ系」に近い性質がある
エヴァが完結した今こそ、開祖である『ザ・ムーン』を新たに今風アニメとしてリファインアレンジして欲しい所だ
実際『ぼくらの』以前にも企画があったとか。
『ストップ!!ひばりくん!』は男性だけではなく、女性人気も獲得した作品である。
その理由は有りのままに振る舞う、ひばりくんの生き様にあり、その在り方は正に"強い女性像"の体現だ。
江口寿史の高い画力からなるデフォルメが与えた影響も大きく、萌絵=美少女イラストの先駆的表現とも云われる。
漫画版での内海は作者ゆうきまさみの悪役造型への拘りが強く出たキャラクターだ。
アニメ版では悪人としての描写もさほど無く海外へと逃げ延びる内海だが、漫画版では他者の死をも厭わない冷酷な本質が描写される。
これはアニメには無かった悪役への"報い"のラストへと繋がる大事なシークエンスだ。
『幽☆遊☆白書』の宿敵だと、戸愚呂弟や仙水忍などの最期は綺麗な退場の仕方をするが、作中一番の悪党でサディストの戸愚呂兄は最も異質な最期を迎える。
死なない体故に永遠の地獄を見せられる「『死』にすら値しない」その末路は、生殺与奪の権利を恐ろしい冷酷な手段で表した例だ。
江口寿史の画力、そしてひばりくんの挑発的かつ小悪魔の様なキャラクター造型からなる魅力が遺した爪痕は深い。
自分もひばりくんが実際に、この世に存在しない事実の悲しさに身悶えする程だ。
同じ80年代にも、江口寿史の作風やスタイルに影響を受けた後続作品が幾つか登場する。
『ストップ!!ひばりくん!!』よりも遥かにお下劣な下ネタギャグ漫画としてスタートした『おカマ白書』だが、そのテーマ性はなかなか重厚だ。
女装した自分の姿に一目惚れしてしまった主人公・岡間はキャサリンの源氏名でゲイバーで働き、そこで自身の女装姿とソックリなヒロイン・ミキに好意を抱く。