宇宙戦争が激化するなか、何も知らないジャイアンのホームランが敵宇宙船を撃墜し、しかもそのことに気づかないまま逃げ帰ってしまう滑稽さが最後の一コマで描かれる。
「不一致」と「対義結合」がうまく使われた回とも言えます。
似た構造の話として傑作回の19巻「天井うらの宇宙戦争」が挙げられます。
徹底したスターウォーズのパロディが有名な回でもありますが、物語展開が見事です。
まずドラえもん達が本物の宇宙船を発見し、その事情を知らないママやジャイアン達とすれ違います。
【対義結合】
レトリック用語。相反する意味を同居させる手法。自発的に発足するからこそ価値のある「ファンクラブ」を、「製造する」という矛盾(ズレ)
のび太の突拍子もない発想に多いですかね。
場面転換の鉄則として「場面前後の温度の差(メリハリ)」というものがある。「あんがと・・・」から、何の前振りもなく口論になってる二人のカットに映るのが最高にスピーディーで面白い。
20巻台の黄金期の、のび太の必死の抗議をサラっとかわす冷徹なドラえもんも最高だ。
漫画の単行本はほとんど持ってなかったので、同じ本を何度も読んだ記憶がある。
そこでドラえもんの「笑い」に染まった。原作黄金期は何度読んでも爆笑する。
14巻は「スネ夫を殺してぼくも死ぬ」が最高に面白かった。
下層の積雲を上から視れる画は珍しいので釘付けで見ていた。
機械で行う人間の催しのために自然現象を「要らない!」と言ってる様は、なんというかアレだった。コロナ禍に五輪を強行する人間の縮図のような(別に反対ではない)
催し見たいのはわかるけどさぁ。驚くべき自然の景観のほうが圧倒的だろうに
この話も「熱弁をふるうのび太から完全に他人事な態度のドラえもんへの移行」の導入。この冷徹な視点の切り替えこそドラえもんの笑いの極意。