【攻守逆転】
これはベルクソンが「反転」と呼んでいたもの。ある流れがガラっと反転しまうことで滑稽さを出している。ドラえもんとのび太が前後で同じ調子で嗜めているのは同じくベルクソンが言っていた「反復」の笑い
普通の作劇論でも「リバーサル」等と呼ばれます。
このキスシーンでもすぐにキスしないんですよね。ケイが誘ってきてるのに金田らしい言動で一時は甘い雰囲気がぶち壊しになったかと思いきや、戻ってきてキスをして去っていく。
う~ん、カッコよすぎる。昔はニガテな場面だったけど今見ると非常にイイですねここは。
「相手の返答を省略する」という表現もよく見られる。
必死に抗議するのび太の発話を、あえてドラえもんに喋らせて、本来同情されるべきのび太を滑稽に見せたり、わかりきっているマヌケな返答を省略してより滑稽に見せている。
ドラえもんが客観化させるばかりではない。こういった「他人事」のケースもある。
グンニャリジャイアンはオチも前述の「追い回される者達を無関係の人間が眺めるオチ」
上手くいっていたことが、思わぬ勢力が介入することで予定が狂ってしまう。
ヨーロッパの古典喜劇でもよく使われていた手法のようです。
【情報待機】
一コマ間をあえて空けてオチへの叙述のリズムを取る手法。「のび犬」という情報だけを伝えるなら真ん中のコマは要らないのに、わざと「ポン」と置いてある。これは最近の作品のほうが分かりやすいので、やはりB型H系の例を参照します。
道具で変質した環境で四苦八苦するというのはドラえもんにおいて定型パターンだけど、この回はいつもののび太が四苦八苦する話と違ってドラえもんが『人知れず孤軍奮闘する』話。
この『限定空間で人知れず孤軍奮闘する』という点がこの回の特徴要素と共通する。
真紅の何がいいって、自分で「誇り高い」と称することに迷いがなく、またそれを生き方で偽っていないところ。私は強い信念のある女性が昔から好きなので。
周囲が不可能と囁く目標をずっと抱き、孤独に成就させようともがく姿が素敵ですね。
「強い女性キャラ」のなかでも特に好きなキャラクターです。