真紅の何がいいって、自分で「誇り高い」と称することに迷いがなく、またそれを生き方で偽っていないところ。私は強い信念のある女性が昔から好きなので。
周囲が不可能と囁く目標をずっと抱き、孤独に成就させようともがく姿が素敵ですね。
「強い女性キャラ」のなかでも特に好きなキャラクターです。
道具で変質した環境で四苦八苦するというのはドラえもんにおいて定型パターンだけど、この回はいつもののび太が四苦八苦する話と違ってドラえもんが『人知れず孤軍奮闘する』話。
この『限定空間で人知れず孤軍奮闘する』という点がこの回の特徴要素と共通する。
何より痛かったのが連載誌移籍騒動で。私もあのゴタゴタで一度関心が離れた。打ち切りで終了したと思ってた時期もある。
YJ版の「巻かなかった世界」も、全巻のストーリーを通して見ると必要だったかなァ………という気がしないでもない。バーズで連載続行出来てたらそのまま完結してたように思う。
最もよくあるのが名付けて【他人事】
急に視点をずらす、あるいは他の視点を入れて滑稽に見せる。
このオチでは真剣に抗議している夫婦2人の様子と、実は騒動の発端でありながら事情がわからないドラのびが、黙々と飯を食らっている様子と対比することで客観化させている。
【毒舌】
原作ドラえもんといえば絶妙な毒舌。
これは「会話不成立」や「認識の不一致」の要素も孕んでいます。
「月給安いもんね」と「まぬけな声が聞こえる」は『余計な修飾』というテクニックでもあります。一言余計だとかそういった類のズレですね。反語的賛辞も近いものがあります。
タヤマ先生は『他人の才能に嫉妬するコンプレックス』の描写がとても上手い。読み切りの時から題材は変わっても常にこの要素は色濃く出るので、作者の情念のようなものが滲み出てる気がする。
最近仕事先で成長を見守っていたツバメの雛が巣から落ちて事切れていて放置されてたので引き取って庭に埋めた。
兄弟より一回り小さい個体だったので何らかの要因で生存競争に負けた模様(弱い個体は親が巣から落とすこともあるそうな)
次は丈夫なツバメに生まれ変われよ(-人-)南無
冷たいドラえもん・毒舌ドラえもん秘蔵コレクション。
20巻台後半から、アニメ版開始の影響からか段々ドラえもんのキツさが緩和されていくのが残念。
この一連のコマは、熱弁をふるうのび太の横のドラえもんが、口を挟む前からわざわざ配置されている点に注目したい。
どう見てもバカバカしいことを言っているのび太を、ドラえもんの冷めた視線が客観化させ、顔が見切れたドラえもんが更に空間を滑稽にしている。
この絶妙にバカにした感じが素晴らしい
ジャイアンの歌に怯える民衆をのび太が他人事のように客観的に分析する(当然その後巻き込まれる)
次のカットも真剣に悩むジャイアンと完全に他人事なドラえもんの態度の対比が面白い。
F先生の達観した視点が作品の根底に流れている気がする。