というわけでAmazonマケプレで長谷邦夫構成、かきざき和美画『スウェデンボルグの大霊界 Vision』1巻を買ってみたのだが、凄い漫画だった。宇宙飛行士がタイムスリップしてスウェーデンボルグの時代に行き成長を促すという筋立てが奇抜だが、かきざき先生の精神世界を具現化する画の力が圧倒的だ。
長谷邦夫『マンガ西国三十三札所観音巡礼』(三心堂、1991)西国三十三所札所会が監修しており、各寺院の縁起の紹介がメイン。マンガとしては大して面白くはなく、バカボンのパパやニャロメ等は出てくるもののギャグもなし。それにしてもなぜ長谷邦夫先生なんだ、まさか「長谷」だから抜擢しただけ?
もちろん、作中では《それにしても不器用な答えであるとは思うけどね おれはねえテレビを見ててひょっとしたら言葉に対する感受性が天皇陛下はちょっと違うんじゃないかと思ったよ》と記者に論評させてやはり徳を讃えているのだが。こういうシーンを敢えて入れたのは作画者の意地か?
河原敏明監修、白取春彦脚本、椿聖悟作画『劇画天皇陛下』(サンマーク出版、1987)をブックオフで買って読んだ。存命中に出されたものだし、ショウジョウエビの発見や226事件の解決、終戦の"聖断"などを讃えるものなのだが、文学方面の言葉のアヤについてはわかりませんの回にも触れていたので驚く
クリスマスイヴだしアウターゾーンの「わしはサンタじゃ!」(14話、文庫版2巻)読み返して泣いてる 俺も子供の頃にめちゃくちゃ大切にしていた、指で触るとピヨピヨ鳴くカルガモのおもちゃにまた会いたい もし会えたら一生大切にするから
本作は渇愛に焦点を当てる。「四分律」の須提那姦淫説話や、阿難尊者が尼僧を認めるよう釈尊に迫る「チュッラ・ヴァッガ」で、特に後者の表現はきわめて印象的。ヤソーダラーとの対話も含め、情や性欲を克服する難しさ、持戒の苦しさを、有川旭一は見事に描ききったと言えるのではないか。
成道会によせて 有川旭一『釈尊 The Life of Buddha』(法蔵館、全2巻)を 読んだ。有川(1928~不明)は1950、60年代に活躍した児童漫画家で、「イガグリくん」の3代目作者でもある。1970年代以後は殆んど作品を発表していないようだが、1988年に突如、この10年をかけた釈尊伝を発表し復活した。