鈴木翁ニ『雨の色』
風邪をひいた少年の見た幻影。
にいちゃんに誘われ、濡れないよう雨の間を歩いて、電車に乗ると空を飛んでいて、「あんな所で、誰かが泣いているよ」、いつの間にか一人きりに。
少年が風邪をひいたのも、いるはずのない“にいちゃん”に雨の中で会ったからだ。
少年は長男である。
美男美女ばかりの登場人物の中、主人公にくっついて回るモブ中のモブ、トンコちゃんが心情を明かすシーンが一番沁みた。
ラスト近く、ほどほどの相手とくっつきそうな場面が、ついでのような小さなコマで挿入されて。
最後までぞんざいな扱いのトンコなのであった。
トンコってあだ名からしてどうよ?
絵とストーリーのミスマッチってあるじゃん。ちばあきおがヤンキー漫画を描いてもほのぼのしそうだし、あだち充原作も本宮ひろ志が作画したら汗臭い根性ものに。
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