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※毎日おれが暴れたものだから、近所の者が、
『最近岡野様に越してきた剣術使いは、子を犬に食われておかしくなった』
と言いおったくらいだった。」
 #はやおき訳 
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「とうとう息子の傷も治り、七十日目に床を離れた。
それから今に至るまで何ともないから、病人は看病が肝心だよ。」 
   勝小吉28歳頃。ある武家の女に惚れた小吉ですが、そのことを妻に知られてしまいます。小吉を諌めようとする妻を家に置いて、遊びに出掛ける小吉ですが…。
マンガ『夢酔独言』七十六話(1/4)
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「おれの女房が、
『その女をもらってあげましょう』
と言い出した。それじゃあと頼んだら、今度は、
『私と離縁してくだされ』 
と言う。
訳を聞いたら、
『女の家へ私が行って、ぜひとももらいますが、先方も武士です。返事が悪ければ、私の命に変えてでも、もらいますから』
と言う。」 
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「考えてみたら、おれが悪いと思い直したから、夕方、急いで家に戻った。すると、娘は山口の隠居が男谷に預けたと言うし、女房は書置きをして家を出るところだった。そこでやっとのことで思いとどまらせて、何事もなく済んだ。」 
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「思い返せば、これまで女房に助けられたことも度々あった。
それからは少しは優しくしてやるようにしたが、それまで一日だって、おれに叩かれない日はなかった。
最近、急に体が弱くなったのもそのせいかもしれぬから、ご隠居様のようにしておくわ。」 
   勝小吉30歳。小吉の実家・男谷家に勤めていた用人の利平次が隠居後、居場所をなくして勝家にやって来ます。ひとまず歓迎する小吉ですが…。
マンガ『夢酔独言』七十七話(1/4)
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「利平爺も長く男谷に勤めて、兄の代には信州までも供して行きおった。
兄貴が使った侍は、皆中間から取り立てた者達だった。信州五年詰めの後、そやつらに残らず御家人株を買ってやったが、利平次は隠居して、株の金を持って身寄りの所へ行ったが、金をみなそやつに取られてしまった。」 
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「利平はまた兄貴の家へ戻って来たが、家来どもが邪魔にしてかわいそうだったから、おれが世話をして坊主にし、千個寺参りに送り出した。間もなく戻ってきたから、谷中の感応寺の堂番に入れた。」 
   勝小吉30歳頃。道楽者の地主のために金の工面をする小吉ですが、それがきっかけで金に困るようになってしまいます。ある時、地主の奥方から、「当主を隠居させて欲しい」と頼まれますが…。
マンガ『夢酔独言』七十八話(1/4)
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