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※麟太郎が若かりし頃の、「天井といへばみんな薪につかつてしまつて、板一枚も残つて居なかつた」とゆうエピソードから構成したくだりです。 
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「『大学』は、五、六枚くらい覚えたっけ。結局、両先生から世話を断られたが、嬉しかった。
馬にばかり乗っていたら、ついに銭が無くなった。そこで、お袋の小遣いや貯えの金を盗んで使った。」 
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「それからあちこちへ検見に行ったが、そのうち、江戸でお袋が亡くなったと知らせが来た。」 
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「人の家の騒動は解決しても、おれの家がうまく回らないから困っていたら、ある老人が教えてくれた。
『世の中は恩を恨みで返すのが世間の人のやり方だが、お前さんはこれから恨みを恩で返してみろ』」
 #はやおき訳
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※フィクション演出とゆう程でもありませんが、原作の行間を膨らましたくだりです。
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「『通行手形を見せなされ』
と言われたから、おれはこう答えた。
『ご覧の通り、江戸を歩く服装のままだから、手形の用意もありませぬ。稽古先でふと思い付いて、上方へ修行に向かう途中です。雪駄も履いたまま、旅支度もせずに来たのです。どうぞお通しくだされますよう』」
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「とにかく養家の婆あ殿がやかましかった。おれの面さえ見ると小言を言いおるから、おれも困って、兄嫁に相談しては知恵を借りた。兄嫁も気の毒がって、男谷の親父にも話してくれた。
ある日、親父が婆あ殿に、
『小吉もだんだん年を取るし、煮炊きも自分で出来るようにならなければ』」
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「毎日、朝四つ頃には沖から帰って、船を陸へ三、四町引き上げる。網を干して、少しずつ魚をもらって帰って、小田原の町へ売りに行った。
それから家へ帰って、おからを買いに行って、四人分の飯を炊く。近所へお使いにも行って、二、三文ずつもらった。」