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「(海舟)先生は丁寧にこれに応じ、誠意をもって弁償することを誓い、その猶予を請うた。貸主はその事情に同情して去った。」
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「(勝海舟先生の)父・夢酔君が病死した時、母君もまた病床にあった。家は貧困を極め、加えて数百両もの借金があった。貸主は日夜押しかけてくるが、どうすることもできなかった。」
#はやおき訳
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「そこで毎日自炊するようにしたが、婆あ殿が醤油に水を入れておくやら、いろいろ嫌がらせをするから、気分が悪くて堪らなかった。よそから菓子なぞをもらっても、おれには隠して、くれないし、着物一つ仕立ててくれても、世間に悪くばかり言いふらすから、イライラして仕方なかった。」
(2/4)
「内弟子の栄次郎というのが出て、
『平山行蔵先生は体調が悪く寝ておられるから、残念ながら会うことはできませぬ』
と言われた。仕方がないから、借りた長刀を栄次郎へ預けて、再度訪ねると約束して引き返した。
すると、栄次郎が追いかけてきて、
『立派な太刀を忝のうござります』」