偶然女と出会った翌日にこういうシーンをさらっと入れてくるの、「やべーぞセックスだ!!」となるので本当に心臓に悪い。くだらないことで議論をしている漫画なのに、こういう部分はやることやってるんだ……となってしまう。
「息継ぎなしで速く話す」というだけでここまですごそうに描けるの、演出の妙があるよな~~と思う。明らかに死線に一歩踏み出したようなコマだもん。
恥ずかしながらシドニアをちゃんと読めてないので、『BLAME!』からしばらくぶりの弐瓶作品なのだが、絵だいぶ変わったなぁ~……魔法詠唱シーンで「普通に美少女のサービスシーンあるやん!!」と思うようになってしまった。
転生要素とかなしのファンタジーなのに、こういう「壮大で難しすぎること考えるくらいならソープにでも行く方がいい」みたいな話が出てくる卑近さがすごい。同時に、俺の異世界ファンタジー観がどのあたりで枠組みを構成してるのか思い知らされる。
「自分の身の丈にあった楽しみをやっていこうや」と言いつつ略奪と酒盛りが映ったり、破城槌つくった兵士が槌の先端をケツに向けて遊んでたり、独特の卑近さがあるのが良い
節々から感じる島本和彦感まで含め、演劇版、夜間学校版の『アオイホノオ』を目指した作品だったのかな。(でも『アオイホノオ』を目指すことや、そもそも島本先生の面白さを再現することって相当に難しくないか?!)
圧縮あらすじ、あまりにも電子書籍にしか許されない無法技で笑ってしまった。これまでも原稿の一部だけカラーみたいな電子ならではの演出はあったけど、これが一番インパクト感じたかもしれない。
この辺はヤンキー漫画の終わりみたいでよかった。ただ、やっぱり一つのドラマで描けるのは三項対立くらい(それもかなり大変だが)までで、それ以上はとっ散らかっちゃうなぁ、という感じ。週刊連載で一話ごとにじっくり毎週何度も読んでれば違ったのかもしれないけども。
作中人物を以てしてバトルシーンに「ヘンタイとヘンタイが楽しんどるだけ」と言われてるので、ホントに終わりなき前戯の世界に突入した感がある。(一応、淫獣的マスコットの思惑みたいな話は匂わされてるけども)
紙の総集編で読んだんだけど、写植の漢字だけ不自然に太かったり文字間が変だったりするので、レイヤー結合せずに入稿して印刷所の環境になかったフォントが置き換えられたくさい気がしてるのだが、実際どうなんだろ。