ファーザーが「電光石火備えガイ」という漫画を描く回、ポイントを消費して読んでみた。トーマスからの様々なアドバイスを取り入れて執筆しており、第三世界の長井における「Eアンカーを多数打ち込まれて歪んだ世界」のルーツと言える……かもしれない。 
   マシュマロ使いのシュマロちゃん(9歳)が気になります。敵キャラです。全コマかわいいけど必然性のない行動しかしてねえ、なんなのこいつ。しかも攻撃手段が「毒マシュマロ」ってお前もインターネットの産物かー!(?) 
   デビル教団登場以降のモテモテ王国、「第三世界の長井」を髣髴する絵面がある。「本当に悪の魔の手が……」の不気味なフォントはなんなのか。マンションから遠く離れたどこかで発射準備を始めるミサイル、火山噴火星人がメキシコの火山を噴火させるシチュエーションに近い。 
   これは変身忍者嵐の山月記パロ回。なお鄭芝龍は実在の人物。和藤内は鄭芝龍の息子をモデルにした「国性爺合戦」の主人公です。時代伝奇なんですよ、この作品。 
   石ノ森章太郎「宮本武蔵」、オシャレな絵作りは期待通りだが「宍戸梅軒を倒したあと、残された妻が目の前で自死する」という後味悪いシーンに相当のページ数が裂かれており「変身忍者嵐の作者だけはある……」と思いました。 
   石ノ森先生の歳上ヒロインに実姉の影響を見る話はよく聞きますが、「主人公が姉や母を思わせるくノ一に誘惑され、涙ながらに切り捨てていく」エピソードを執拗に繰り返した「変身忍者嵐」はどういう心境で描いておられたのか。忍者劇画は陰惨で当然かも知れないが……みんなも読もう。傷ついていこう。 
   忍者と極道を読むまで幡随院長兵衛を知らず、「秋の舞姫」で言及されたのも気づかなかった私です。あとヤクザと柔道家の大喧嘩を黙々とスケッチするフランス人画家ジョルジュ・ビゴー、セリフは多くないのに芸術家キャラとしての格が高いヤツ。