芳成かなこは少女マンガ界屈指のコマ割りの名手だった。3段を基本とするS字進行が基本で、クライマックスになると縦割りを効果的に使う、松本かつぢにも見られるようなロジカルなコマ割りに私は惚れ込んだのであった。
これは「こむぎ日和」のくらもちふさこ風コマ割り。S字と縦割りが残されている。
みやぎひろみの不朽の名作「ピクニックに行こう」。
隣のページに曽根富美子の名作「親なるもの 断崖」が載っているのが掲載誌の宙出版『プリティーハーイ』の立ち位置を示しているが、決して売れる雑誌ではなかった。
みやぎの歴史的功績はレディースコミックに女系家族を持ち込んだこと。素晴らしい
#松本かつぢ展 振り返り13
くるくるクルミちゃん(1)
松本かつぢは昭和13年に『少女の友』で「くるくるクルミちゃん」を連載開始します。カワイイの代名詞であるクルミちゃんですが、初期はいきなりトンボを切る(バク転のこと)ようなお転婆娘でした。アメリカの漫画Nancyを参考にしたのでしょう。
#松本かつぢ展 振り返り10
ぺぺ子とチャー公の夏休(2)
ぺぺ子は昭和9年からピチ子と改名されて、松本かつぢの絶頂期に突入した傑作が、『ピチ子とチャー公 湖畔の一夏』です。
かつぢは戦前の作品でも仲睦まじい男女を描いていて、姉弟設定のピチ子とチャー公でもその設定を最大限に利用しました。
日本マンガで最初のキスシーンは有名な手塚治虫の「拳銃天使」より16年前に松本かつぢの「ピチ子とチャー公」にあったんですね。「ピチ子とチャー公」ではピチ子の下着姿なんてのもありますが少女雑誌だからできました。
手塚先生の場合クライマックスという意味合いはありますね。
#松本かつぢ https://t.co/fUKyBdU21n
お役に立てて良かったです!
昭和9年の #松本かつぢ は
3月に「王様のおやつ」
4月に付録「なぞ(?)のクローバー」
7月に「あふられたチンミョウさん」
8月に付録「ピチ子とチャー公 湖畔の一夏」
と傑作中の傑作を発表してマンガ家としての黄金時代に突入しました
(図版はあふられたチンミョウさん) https://t.co/XPNXHXoq3d
吉田まゆみ原画展、かなり混雑していました。
リア充の老夫婦とか、どう見てもオタクに見えない人たちが見に来ていて新鮮でした。
あと80年代のカリフォルニアドリームが炸裂していたのも面白かったのでした。
もう終了間近で紹介が遅かったのですが見て損はないです。
松本かつぢ「?なぞのクローバー」は先行するLittle NemoやKrazy Kat, Gasoline Alleyなどの斬新なコマ割りとはどこが違ったのでしょうか?
先行作品のコマ割りは物語構成よりも先んじていますが、かつぢのコマ割りは物語によって統御されています。そこで2段抜きのような手法が発明されたのです。