『綿の国星 2』大島弓子:白泉社版再読。『綿の国星』はギャグが多いなあ(大島作品全体か)。短編『たそがれは逢魔の時間』は少年時代の初恋を忘れられない既婚中年男性が美少女中学生に魅惑される夢想譚。珠玉の名作。大島さんが少女売春や不倫を描くのは珍しい。初めて読んだ時は僕も少年だったのに。
でも、大島弓子さんが中年男性の容貌を美しく?描いた『たそがれは逢魔の時間』を例えば意志強ナツ子氏が作画したら、大島作品とはまったく違う話になるのではないかと思いました。画像は意志強氏の傑作短編集『魔術師A』収録の『KEBAB』。
『綿の国星 4』大島弓子:白泉社版再読。『綿の星』シリーズ短編4作。生魚しか食べない流れ猫、お見合いが嫌で家出した血統書付きの優雅なシャム猫、死んだ飼い主に会いたい化け猫、飼い主である高校生の女の子を見守るナイスミドルな猫。猫の大きさが人間の身長と変わらないのが凄い効果となってる。
『SFマガジン』2020年2月号:「大森望の新SF観光局」は「吾妻ひでおさんのこと」。ファン葬、『不条理日記』の衝撃、編集者として仕事を依頼した想い出など。絵は永野のりこ氏。
「今日の早川さん SFマガジン60周年特別篇」(COCO)に平井和正『悪霊の女王』「狂戦士」掲載号の『別冊問題小説』表紙が!
『綿の国星 5』大島弓子:白泉社版再読。赤ちゃんを傷つけて捨てられた子猫『猫草』、彼女に逃げられた男『チャーコールグレー』、作家志望の19歳女子『晴れたら金の鈴』、非綿の国星の『裏庭の柵をこえて』の4作が特に好きかな。『裏庭』の小3の少女と男子大学生の友愛関係は今ならもっと厳しいなあ。
『響~小説家になる方法~(13)』柳本光晴:完結。着ぐるみうさぎが女性を校内案内する110話「響スポット」が面白かったけど、ラストは物足りなかったです。文芸部員メンバーとの別れ(打ち上げ?)も描いて欲しかった。作品全体の感想は響の暴力の印象が強く、「有名小説家になる方法」だったなあと。
『戦争は女の顔をしていない 1』【原作】スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ 【作画】小梅けいと:ノーベル文学賞受賞作のマンガ化。面白かったです。傑作。ソ連赤軍は旧日本軍より優れてると思ったなあ。女性の活用がこんなに進んでいたとは! 男性兵士による戦争犯罪・強姦の回想はないですね。
『黒騎士物語』(小林源文)で描かれたソ連赤軍兵士の「フレブ ザ フレブ クロフ ザ クロフ」のシーンは強烈だった。『戦争は女の顔をしていない』のソ連兵は紳士的だけど。
黒騎士一行が転戦した戦場にも『戦争は女の顔をしていない』のような従軍女性たちがいたのだろうか。
『おちけん』川島よしお:大学の落語研究会3人娘のコメディー。『マカロニほうれん荘』愛満載の『MACARONI』(おてんばベッキー)に感動したので、川島よしお作品を初めて読みました。落語には関心ないけど、面白かったです。新入生のアンナはもっと描いて欲しかった。1巻で終わってしまって残念です。
「しなやかに活躍するエスパーたち (藤田尚)」
『幻魔大戦』p.53
『エリート』p.54
『幻魔大戦』p.55
『ウルフガイ』p.98
平井和正の『真幻魔大戦』&『幻魔大戦(小説版)』、石ノ森章太郎の『幻魔大戦(『リュウ』版)』の3作がスタートとした幻魔大戦復活年だったからか。
『一人称単数』村上春樹:6年振りの短編集。最初の2作『石のまくらに』『クリーム』を読了。『石のまくらに』が好き。語り手である僕が大学時代に一晩だけセックスをした、年上の女性の話。その女性がくれた私家版の歌集。表紙がこれまでの村上さんの小説本と違う。画を描いたのは漫画家の豊田徹也氏。