『マッチョテイスト』には洗濯船というアパートがあって、そこには男絡みで心に傷持つ女性達が住んでる。
これって一種の自助グループみたいなもんだけど主人公はその傷口を舐め合わさせず、むしろ塩を塗り込む事で過去を強制キャンセル(=洗濯)する。
ファミコンのカセットを引っこ抜く感覚に近い。
『マッチョテイスト』
作:小池一夫 画:中村真理子
狩撫麻礼とのコンビでも知られる筆者のデビュー作。
男らしい感覚=マッチョを標榜し男以上に男たらんと筋トレに励む主人公は自身の性と葛藤しつつも生き様を貫く。
矛盾というか分裂してると思うんだが、そんなの気にしてたらマッチョにはなれない。
『オムニ』とんぼはうす
村田基「フェミニズムの帝国」をコミカライズ。
男性のみ発症する変型エイズにより近未来の日本は完全な女性優位社会へと変貌。男達はメンズ・リブ運動で抵抗するが、過激化した争いはいつしか不毛な滅ぼし合いへと繋がっていく。
今読んでも面白い、というか今だから面白い。
田川の幼児虐待事件。
胎内記憶カンファレンスなるイベントを行う予定の池川明先生とのぶみさんには、
「この事件で犠牲になった子供も虐待される事で親の魂を成長させる為にこの両親を選んで産まれてきたんだよ!」と主張して欲しいですね。
毎回しつこいようだけど、俺はずーっと言い続けるからな。 https://t.co/rk71IrHdDp
聖レイ先生の初期作品にはゴア描写が散見されるのでちょこちょこ集めているのだが、最近のお気に入りはこれ。
早見純先生の「月曜日はもう来ない」でも亡くなった妻の陰部を愛玩するキチ◯イ爺が出てきたが、こちらは寿司。
正に究極VS至高の対決とも言え、甲乙付け難い。
依頼した絵が過去絵のトレスだとか何とか騒いでいる件だが、笑止の一言である。
いいか、本当のトレスっていうのはこういうのを言うんだよ!
分かったか!
人肉食描写が問題となり、自主回収された『ポップコーン』の第2号(光文社 1980.6)を捕獲。
赤塚先生が明らかに覚悟した上で仕掛けたとの話だが、編集部での反応はどうだったんでしょうか。
結局打ち切りにはならず、最終号まで掲載されたという事はある程度覚悟の上で載せていたんだろうけど。
ムロタニツネ象先生の『37階の女』掲載号のビッグコミックをようやく確保。
やっぱり紙で読むのはいいねぇ、惚れ惚れするよ。
同号には楳図先生のナンセンスギャグ『図明氏の生活』も収録。
『地獄の招待状』槇村ただし
お化けや怪物より人間同士のいじめの方が恐ろしいという身も蓋も無い現実をちびっ子に叩きつけた本作。
いじめっ子達の名前が蛭田、高島、浜田って思いっきりDプロの面々なんですが、冗談と分かりつつ、もしやという恐怖を感じさせてしまう構成まで含めて完璧なのだった。
『偏愛』横山光輝
(月刊ファニー 1969.8)
一方こちらは勤め先の娘に度を越した愛情を抱き、犯罪に手を染めてしまう乳母の話。
異常な嫉妬や妄想はパーソナリティ障害に起因する可能性もあるかと思うが、当時は当然そんなカテゴリーはないので「精神病患者」という言葉で表現されていたのだろう。