『王国(あるいはその家について)』ほぼ予備知識なしで見たため、最初のうちは「俺は一体何を見せられているんだ」と戸惑った。それが1時間近く経ったところでようやく「ああ、そういう映画だったのか」とようやく理解できてくる。しかし、それで本当に正しいのかという疑念。
やはり『ゴールデンカムイ』って、思いきり「男子漫画」であって、2010年代のヤンジャン連載の漫画だからギリギリ許される部分が多く、今の時代にそのまま実写化したら、別の意味が出てしまってマズいだろうというノリが満載だな…
なお鶴見中尉の再現でとりわけ感動したのがこれ。あの「変な汁」の出方は、再現どころか、もはや原作を超えていた。あのゾワゾワ感だけで、この映画は見るに値する。
具体的には、杉本が黄金に関わる発端となる出来事。あの囚人が酔っ払って、あんな重大なことをベラベラとしかも理路整然と話し、しばらくしたら「しゃべりすぎた」と言って杉本に銃を向ける。これが漫画だと不思議なほど違和感が無い。ところがこれが実写映画になると、ありえないほど不自然なのだ。