でもね…この第1回で描かれた「今時アラフォー女子の生き方」みたいなドラマは、この物語の本の序章に過ぎないから。この前も言ったけど、『その女ジルバ』の原作漫画は、戦前〜戦後の壮絶な歴史を背景にした大河ドラマだから、その点くれぐれもお間違えなく!
ところで今日の『千夜、一夜』、川崎市アートセンター10時からの回で観客が30人近く入っていて驚いた。これは川崎市アートセンターという劇場が近所の人々に親しまれ、「映画のファン」だけでなく「映画館のファン」を集めている結果だろう。それは周りの客の会話を聞いても分かる。
昨日から言っているように『その女ジルバ』原作漫画の眼目は、中盤から明かされるブラジル移民の影の歴史。中でも驚かされるのは、自分たちの既得権益を守るため、「日本は戦争に勝った」というデマを多くの人に信じ込ませた臣道連盟という存在を、ここで初めて知ったことだ。
友人の広瀬康一が自らのスタンド「エコーズ ACT3」ほ出してチープトリックを引き剥がそうとする。太ったおじさんが広瀬康一で、女性がエコーズです。
特にブラジル移民の「そんな馬鹿な…」という隠された歴史は圧巻。クレジットを見るかぎり、そちらにも触れはするようだけど、本格的なブラジルロケまでして描かれるとは思えない。ご興味のある方はぜひ原作を手に取ってください!
でもこれってさ…よく考えてみると、トランプが勝ったというデマに踊らされて議会に突入した暴徒や、いまだにオリンピックが開けるものと思い込んでいる一部の日本人とまったく同じ構図。あれから80年近く経っても、政治的煽動の構図はまったく変わらないということか…
あと、かなり失礼な話ではあるのは承知だが…最初に若い人が出てきた話をしたのだが、その人はどう見てもインターンだった。しかしどうやらその人が看護師の言う「先生」だったらしい。その時先日読み直した『ブラックジャックによろしく』のことをやっと思い出して、背筋が寒くなった。