続けて『湖上の閃光』読んだ。(実は初めて)ほんの少し不思議入った少年少女グループの夏休みサスペンス。手塚治虫味もまだ濃厚だし石森ぽくもあるけど「かわいそうな少女漫画」よりずっとイキイキしてますな。ヒロインが大人も投げ飛ばす大怪力少女なのが最高にイカす。
『くらやみの天使』。U・マイア作品を赤塚不二夫の全集に入れるのは全然良いとして赤塚不二夫はどこらへん描いてるの、とか…やっぱり解説が欲しいよなあ。なんも知らない人が見たらそもそもなんでこれが全集に載ってるのかもわからないでしょ。
ゴメス描く時どうしてもゴジラの顔じゃなくてニャロメの顔で描いてしまう。写真は円谷英二生誕100年の時のフィギュア王と総天然色ウルトラQ発売の時の特撮Newtypeのイラストから。水気隆義とかマルサンソフビの刷り込みかな。
『あべこべ3番地』初めて読んだ。おそ松くんが確固たる人気を博してて、バカボンが始まるちょっと前。週刊マーガレットで連載されてたホームドラマ。超安定のクオリティだけど…つのだじろうがお隣のお母さん作画してる。吃驚。あのお二人がこんな本格的な合作してるとは。(ギャハハ三銃士は知ってる)
原作を読みたくなって単行本(描き下ろし)と文庫(雑誌連載版)を確認。てっきりこの後同期の仲間とか連隊長が慰めてくれる流れかと思ったらそういうの全くなし。連隊長の隠し芸を覗いたあと熊軍との戦闘になって手柄を立てたのらくろが中尉に昇進しておしまい。おかしいな、アニメの記憶か?
赤塚不二夫漫画大全集、他の単行本に未収録の短編群が面白い面白い。特に60年代前半の読み切り作品はキャラクターがみんな元気よくて連載になってないのもったいない作品いっぱい。『ミスターかぐや』って短編のこの兄弟、名前もついてないけど表情、動き、セリフ共にプレおそ松くんな感じで好きだ。
この二人がスターシステムで別の読み切り「ぼくは…サラリーマン」にも出演してて、父ちゃんの給料を上げてもらうために社長の家にゴマスリに行く話。おそ松くんでこのアイデアをアレンジして使ってたね。こっちも面白い。そして(続)
(続)50数年前に買ってもらった『マンガのかきかた』(秋田書店)って本の中にこの作品の一部が引用されてたのです。「でもこれ、おそ松くんじゃないよなあ」ってずーっと不思議でした。やっとわかった。
脈絡なく。昭和24年の「中学時代」に載ってた田河水泡の漫画。面白いんだか面白くないんだかちょっと不安になる内容だけどタイトルが気に入った。『漫画のおっさん』。素晴らしい。キャラクターのデザインも不思議ですな。
60年代の赤塚少女漫画の主人公の、まだまだフワッと広がったスカートのキャラが多い中でこの長身で長ズボン(ジーパン?)のおねえちゃん主人公はいいですね。読み切り作品で名前ないの残念。勝ち気で活発で、もしかして水野英子先生がモデルなのかも、と妄想します。
『メタモルフォーゼ』第1話『ザムザ復活』(犯罪者を野生動物に変身させて見せ物にする)を読んで思い出したが西岸良平のSFでも似たアイデアがあって、こちらは高齢化社会で介護の負担を減らすために老人を小動物に変身させる未来の話。こんなかわいい絵でなんて残酷なこと考えるのかと慄然とした。