ジョージ秋山「告白」で印象的だったのが、「銭ゲバ」「アシュラ」を描いたことでダークサイドに堕ちたジョージ秋山を、自身が生み出した初期のペーソスギャグ漫画のキャラたちに励まされるシーンだ。
小学生ぐらいの時に買って読んだジョージ秋山『アシュラ』。
初版本のインパクトは凄かった。
手に持つだけで震える文字通り業の深いとしか言えない一冊。
で、なんで急に『アシュラ』かと言うと極限の飢えで妻を食べて自殺した男の一コマが記憶に焼き付いていて急に思い出したりするから(今)
吾妻ひでおといえば「アンジェ」だ。これらの漫画はオブジェ・マガジン『遊』や蛭児神建発行の『アンジェ』(元シベ同人やサーカスマッドカプセルが執筆。全104頁)に掲載された二次創作だが、どう甘言を弄したのか単行本『海から来た機械』に無事収録された。完全なるプティアンジェになる日は近い…
ねこぢるyの長編新作『汁ゾンビ』読む。ねこぢる作品『半魚人』の続編。『夢の島』時代の山野一を想起させる猟奇的かつSFチックな内容だけど、邪悪さは感じられない。ねこぢるの天衣無縫さ、山野一の突き放したギャグセンスは健在。シュール味はなく、安心して読める作品。山野一の円熟を感じさせる。
このあたりが顕著と思う。『幽玄漫玉』のラストでは、これまでのように茶化して相対化する余裕まで失われ、むしろ丸裸になって身辺を明け透けに語ることが、唯一の逃げ場だったのかもしれない。自分とその表現に酔うことを徹底的に否定しようと、もがく生きざまこそが、この作品を傑作たらしめている。 https://t.co/ae1gv4sVHL
#C103 12/31 (日)
COMITIA146既刊
◎『増補改訂版/川本耕次に花束を』
B5/本文92頁/1000円
C7既刊
◎『A5判の夢―貸本漫画小論!』
B5/本文54頁/700円
コミケを創設したサークル『迷宮』(東ノ40b)で川本さんの本を頒布します。おたく史に大きな爪痕を残した、ある編集者の仕事と功績はここにある。
アリス出版『少女アリス』Vol.15(1980年10月号)
吾妻ひでお「夕顔」は吹き出しが手書き文字だ
「この号で私はアリス出版を退職するのだが、ドタバタのせいで写植が間に合わなかったのか、この回だけ手書き文字です」(川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書,2011年,119頁)
『ガロ』は土着的で『COM』は都会的といわれるんだが、僕はやっぱり『ガロ』派だな。特に手塚的な漫画に対するオルタナティブとして機能していた60~70年代。