コロナ禍における古本病患者の葛藤。
一回行ったら気分も落ち着くだろうと思って久しぶりに倉庫のような大好きな古本屋へ。やっぱりネットより店で直に棚を見て未知なる本との出会いを楽しむ方が断然楽しい。
結果、気持ちが収まるどころか飢餓状態に拍車がかかり焼石に水状態になってしまった。
前職の販売員時代の恐怖実録。(まだまだ他にも沢山ある…)
店頭には服飾の勉強目的に来店される学生さんも多く、「高くて買えないから写真だけ撮らせてください」と堂々と言われる事も度々でした。
中には、完全密室である試着室という空間を利用して撮影大会に興じるお客様も居たり。いやはや…。
奈良のフジケイ堂閉店に伴う、私と夫の先程まで繰り広げられた戦いです。
「やっぱりどうしても駄目かねぇ…?」
「当たり前でしょ!冷静になれ!古本よりも大切なものがあるでしょ!」
仰る通り…仰る通りですがね…
理性を失うくらい大好きだった特別な古本屋さんだったんだよぅ…
ブッコフや古本市で時折目にしていた〝せどり民〟
いざ自分が売り手になると、やはり目の前で堂々とされると良い気分はしませんね…。
しかも、せどり君が水木作品を刈り取った後にやって来た小学生男子が「妖怪の本あるかなー」と言いながら本を一生懸命見始めた瞬間は「ぅぁおぉ…」となりました。
全く予想だにしない出来事が起こる、これが人生のスパイスとしたら、今夜の体験は激辛ハバネロでした。
暗闇、雨で濡れた車道、ブレーキの反動、猛速スピンのバン。
もはや映画のワンシーン。
たった数秒で自分の人生が変わっていたのでは、と鳥肌が立ちました。(いつにも増して乱れている絵と字)
そして床屋といえば、昔ながらの床屋さんを舞台にしたユズキカズ先生の作品も…素敵なんだぁ…
『マハラジャ日和』(河出書房新社刊)