農作業の場面でも、一人一人に細かく色を付けており、大勢で活き活きと仕事している様子がよく伝わってきます。矢口高雄さんや中村哲さんが衝撃を受けたのはこのような生活の喜びの描写でしょうか。
貸本「忍法秘話」第15号(1965年1月30日発行)に載る作品「ガロの復活」は写植が間に合わなかったらしく、白土三平作品では唯一手書き文字での発表になっています。
これはこれで個人誌感が出てて素敵です(^.^)
#白土三平
「嵐を呼ぶ剣」の巻中では、決めのシーンごとにかっこいいカラーページが挿まれます。
洗練された躍動的なキャラクター描写はつげ義春さんなど当時多くの貸本漫画家たちに影響を与えました。
カラーのコマ原稿は自筆原稿の複写に色を入れる場合が多いため、このようなカラー原画の場合はベタの部分に刷毛跡がみえません。忍者武芸帳の原稿のほうはこの時点でさらにホワイトも入れています。
#白土三平
原稿のデジタル化というのは保存の観点からの発言でした。電子書籍は紙の本をスキャンして解像度は72dpi、画質も媒体に合わせて圧縮しているので、印刷に耐えられるほどではないです。
漁の描写などは書き込みが多いため、単行本ではダイナミックな表現が伝わりにくくなってしまっているのですが、色彩が入っていると場面が、とても理解しやすくなりますね。
少年王者とは違って同時期のサスケの動物のデフォルメ率は高いのだけれど、カラー原稿をみるとこれも一部リアルな描写から線を引いて作り上げられている様子がよくわかりますね。
#白土三平
#久松文雄 さんは手塚治虫さんのアシスタント出身。テレビアニメ「風のフジ丸」のコミカライズを月刊誌「ぼくら」の1964年7月号から1965年9月号まで連載しました。
「こがらし剣士」の原本と復刻本との大きな差異は、甲賀流のルビが「こがりゅう」から「こうがりゅう」に変えられていることと、以下の箇所になります。白土三平初期貸本と復刻本の比較はいつか全てしたいと思っています。
P14-服の色
P47-目玉の追加
P74-た"づ"ねて
P113-"最後"と、アッ!!の写植追加