こう見ると連載版⇒単行本版でユパの「師」としての言葉はその重みを増し、またクシャナもその言葉を(嘗て自分自身が捨て鉢に吐いた言葉の責任と共に)噛み締めることで、大団円における「王道」宣言により味わいが深まる…と思えるわけです。
そして血塗られた道に代わりユパが示した「王道」は、単行本五巻でクシャナ自身がー但し自分が歩むものでなく、「誰かが立たねば世界は滅ぶ」とどこか他人事にー語ったものでした。そして五巻のこの場面は、なんとと言うべきか単行本版の完全新規追加になります。
わが社で久方振りの代替わりがあって○○日。当然そんな劇的に改善はされず、新たな問題も出てきてはいるが…「責任伴う命令は出さない癖に、自分の都合を社長の威を借りてゴリ押しする」秘書室の患部もとい幹部が消えただけでも、個人的にはかなりマシである。
〉RT
少年兵投入て、露国はいよいよ自国の若者を根絶やしにして何の勝利を掴むつもりなのだろう。目の前の「勝ち」さえ積み上げていけば何とかなるという視野狭窄具合いといい、完全に末期ナポレオン化しつつある…
因みに単行本版におけるこの場面の直前、即ちチヤルカと皇弟ミラルパとの対話や大海嘯の前兆、セラミック鉱山街の回想は意外なことに、全て単行本版の新規書き下ろし(!)になります。
この次にユパ一行が登場するのは五巻前半、土鬼-トルメキア国境あたりで、そこでは既にユパとミト達は合流しています(連載版該当箇所も同様の流れ)。なので、当初にあった「別行動」は無くなったか、或いは当初想定よりずっと短期間になり早期に合流したと考えられます。
そしてこちら(↓)がアニメージュ連載版となります。二段目左のユパの台詞以外、本当にまるっと全部差し替えになります。
漫画版 #ナウシカ には連載版から絵はそのままで台詞がまるっと変わっている(!)箇所もありたす。たとえば四巻前半のユパ一行の会話。まずは単行本版がこちらになります(↓)
あとこの辺りの、建武政権の先進性への一定評価、後の室町幕府での一方的裁許への言及、「大乱がなければ忠臣」の下りは、亀田先生の「南朝の真実」「観応の擾乱」を読んだ後はこう、ニヤリとしてしまいますね。
そのナウシカの「母への願望」が投影された場面。こんなありふれた(筈の)親子の場面すら願望になるとは、どんな日々だったのか…。或いは、だからこそナウシカはこの兵士や「息子」オーマに対し、かくありたいと自ら願う理想の母として振る舞おうとしたのかもしれませんね。