あと、罷り間違って露がこの戦争で核を使うと、核兵器の価値ごと露の存在価値も暴落しかねないと思う次第。要は、「核の傘」「核不拡散」のお約束が瓦解し、核の少数独占があやしくなると。
そうした「死なないこと滅びないこと」が自己目的化し、「生」を見失った極北が、例えば神聖皇帝ミラルパであり、更には本作のラスボスである「墓所の主」となります。
確かに、何れの場合も指導者としては後先考えない問題ある言動であり、特に後者の場合はまんまと敵の挑発に乗せられて全面戦争の火蓋を(その準備もなしに)切りかねなかった点では、匹夫の勇の謗りを免れないものがあります。
上記には大分妄想が入ってしまいましたが、見所としては最期を迎えるユパに真っ先に駆け寄り、その死を心から嘆き悲しむところでしょう。他の者がユパの犠牲に感謝する、その遺志を噛み締める中で、ユパ自身を心から案じるケチャはやはり凄く心優しい良い子ですね。
閑話休題。王蟲培養槽は破壊できたものの、突如現れた皇弟により叛乱は失敗、ケチャはユパ達と辛うじて脱出しますが、彼女が敬愛する僧正は、彼女たちーもっといえば「友」たるナウシカーを庇い殺害されてしまいます。
今週の #逃げ上手の若君 、悪役国司殿に弓術を教えている小笠原公が凄く凄く嫌そう。そりゃ、礼儀作法・腹の探り合いにすら全力「真剣勝負」を好む小笠原公からすれば、ただの弱い者いじめは面白くないですよね…いやホント、小笠原公で是非スピンオフを(以下略
実はマニ族は僧正による反逆計画を(失敗時に類を及ぼさぬよう)知らされておらず、ミラルパによる巨神兵輸送命令にも、ナムリスによる僧会粛清にも唯々諾々と従っていました。そんな彼等に「ナウシカの道」を選ばせたのは、やはりアスベル達の功績が大でしょう。
そういえば「庭園」に保管されていたものも生物関係では、動植物の原種と農作物であり、エヴァ破のように海洋を部分再現した様子はありませんでした。やはり巨大産業文明末期の混乱ぶりから、地上部分の浄化・再生にしか「手が回らなかった」というところが実態ではないでしょうか。
寧ろ実際の上人は「神に仕えるため」自ら盲になる苦行を受け、また土鬼皇帝からの弾圧を受けても決して折れず耐え続け、加えて人生の最期に自分に反駁を加えた少女を「優しく猛々しい風が来た、永く待った甲斐があった」と歓迎までしており、死を救済とみる姿勢とは対極的ですらあります。
一方、「神人の地」は、その維持に明らかに外部リソース=人間の生贄を必要とします。というのも、先程見た「緑の巨人」は、農作業を終えると森の生き物達の餌として、「骨も残さず」食べ尽くされているからです。