ではそんな「庭園」に保管されていたものですが、まず「汚染されてない動植物の原種」があります。火の7日間前後にはかなり生物が人間に都合よく「改変」されていたようので、これは態々遺伝子操作で原種を「復元」した可能性があります。
この点を踏まえて僧正の反逆=王蟲培養槽の破壊と、皇帝と対峙した時の彼の訴えを振り返ると、彼の主張の要点が見えます。要は、「自分たち部族民を使い潰すつもりならとことん歯向かうぞ?部族民を無礼(ナメ)るな」かつ、部族民に対しては「生きろ!」なんですね。
お目覚め文化人「自分たちへの批判は言論弾圧苛烈で巨大な人権侵害恥を知れ、自分たちがする検閲は正しい啓蒙」
…通じるわけ無いでしょそんなの。自分の商売の生命線(言論出版の自由)を破壊して先があると思わないでくださいね?てか真っ当な業界関係者なら頭抱えるはずなんですが…
この時の僧正は皇帝の命を受けて諸族をーそれも故郷を敵に奪われ家族を殺された復讐心に燃える人々ーを率いてトルメキア軍攻撃に向かっており、ナウシカが如何に訴えたとて「攻撃中止・撤退」に転じ得ないのは当然ではあります。
この前段で、僧正は僧会幹部に対し、培養幼生王蟲を囮として王蟲の群に敵を襲わせる作戦は、「味方の被害が大きすぎるので」暫し再考してほしいと要求します。一部は建前とはいえ、部族民の命を預かる側としては当然の訴えでしょう。此方も全滅では何のために戦うのか判らなくなります。
そこから頁が改まっての尊氏公は、これはもう希代の怪物の迫力。未だ本心が底知れない辺り(「帝を支える」は本心かも…?とも思わせる)も、正にこの時代のラスボス感がありますね。そして初登場の高師直公!これは強い…強すぎて観応の擾乱で敗死するイメージがわかない(笑)!
#逃げ上手の若君
ワーテルロー編が佳境の『ナポレオン 覇道進撃』ですが、読み返すと現状のどん詰まりの遠因が全てスペイン戦役編で予告されてて痺れますね。
このため、ある部族への過度な締付は諸部族の一斉蜂起=帝国の瓦解を招きかねません。なんでも現場を締め付ければいいってものじゃないのは、現代のあれこれにも通じる問題ですね。
そう考えると、皇帝ミラルパが自ら反逆鎮圧に出向いたのも強ちやりすぎではないかもです。何せ現地の僧会幹部は無駄に強圧的態度で自ら反逆のタネを蒔きながら、そのことに無自覚で責任回避に汲々とする為体。そりゃゴミを見るような目で(笑)ふっ飛ばしたくもなります。
これに対する僧会側の回答は
・あんなの初歩的なミス
・王蟲神聖視してないか?邪教捨てずに皇帝に逆らう気か?
と、「木で鼻括る」レベルではない全否定・ゼロ回答です。
それは勿論、「たった数千年で」旧人類が汚染した地球を浄化するためです。というより腐海はそのため「だけ」に存在しており、役目が終われば速やかに消え去ります。同様に、役目を早く果たすためにもその成長は急速で「なければならない」のです。