そしてサパタ。ここでは作戦立案の前面にクシャナ自身が出ており、クロトワは後ろに控えて内心皮肉を言うだけと些か職務放棄に見えます。が、クシャナはともかく麾下の第三軍将校とは会って日も浅く、クシャナをさしおいて作戦を仕切ったり、クシャナの作戦に口を挟むのはそれこそ悪手でしょう。
漫画版 #ナウシカ 三卷の、瘴気で瀕死の兵士を懸命に介護するナウシカ、「母さん…」の呟きに強く反応しているところが、後に明かされる彼女の過去ー決して癒されない悲しみを教えてくれたが自分を愛さなかったーと重ね合わせると中々重い。
さて、腐海の「砂にする分解能力」についてですが、ユパによるとこの「砂」は金属類の複雑な化合物で、火でも薬品でも溶かせず、かつ完全に無毒無害な結晶となっているようです。某コスモクリーナーもびっくりな浄化能力ですね。
事実、シュワ及びト軍全滅後、ようやく墓所はその扉を開いてヴ王を招き入れ、新王にしようとするなど正にキングメーカー然としています。こんな姿があからさまになれば王の権威などあってなきが如しでしょう。
では「教団」は何の目的で墓所の開示する技術を解析しているかといえば、これはほぼ墓所への「信仰」によると思われます。既に不死ヒドラ化している彼らにとり、墓所の開示する奇跡の技とは「神の啓示」であり、その解読とは神の教典を読み解くことでした。
しかし巨神兵奪取を目的に加えてもなお、更にはたとえマニ僧正の反逆すら「超常の力」で予言していたとしても、それでもどうしてもミラルパ自身が出向かねばならぬとは思えません。ましてミラルパは、軍主力によるサパタ方位の本営から一時離脱(!)してまでこの作戦を実施しているのです。
尤も、こうしたコミュニケーションが旧世界に平和をもたらしたかかといえば…ナウシカ達の世界を見ても明らかですが、平和と呼ぶには程とおく、それどころか「超常の力」そのものは、下手をすれば監視と圧政の道具となりかねない有様です。