以上を踏まえると、ナウシカ世界は農業人口の奪い合いが生じるくらいには人不足ですが、飢餓疫病が蔓延するくらいにはヒトが過剰という、非常に微妙でにっちもさっちもどうにもブルドックな状況…となりそうですね(身も蓋もない)。
ではこの膨大なエフタル航空軍はどのように運用されたかですが、それを示唆するのが、1巻前半でのクシャナ軍との対決です。この時点ではガンシップは、装甲兵と決闘するナウシカを低空から援護する形をとっています。
しかもこの道化、単に王をからかうだけでなく、中々政治的洞察も鋭かったりします。例えば、こちら↓はヴ王が息子達を国境警備に左遷し、自ら出陣を宣した後ですが、道化は「寝首かかれるかもよ?」と中々王にとって耳の痛いことを言います。そして実際、この「予言」は後に的中するのです。
その答えとしては本能に基づかない理性的行動としての自殺=大海嘯を蟲たちに起こさせるためではないかと考えられます。五巻において、大海嘯は王蟲の人間への怒りではなく、仲間たる粘菌を救うという、極めて人道(!)的・利他的理由に基づいていたことが明かされます。
この点については、「森の人」セルムから瘴気=大地の毒を腐海が取り込む際に僅かに放出される毒の残欠であり、長期的には安定・無害化されると説明されます。
だからこそ、道化は猜疑心強いヴ王の側に仕えることができ、また彼の発言は、王にさえ阿らない(しかも自己の思惑を絡めない)点で、おそらく宮廷内でもある意味信用されていました。そのことを何より示すのが、ヴ王の遺言ーそれも王位継承ーの証人に道化が指名されたことです。
今週号の #逃げ上手の若君 は、ゲンバ君の乱世・新時代を象徴するような「おちょくり方」が痛快でした。そんな彼が毒づきながらも、旧時代の御曹司・時行君に仕えるというのもまた面白い因果ですね(単なるツ●デレにも見えなくはないが)。
流石にムシゴヤシ以外の低木(陰樹)の成長はゆっくりのようですが、それでも森林遷移で言う陽樹林まで文字通り「一瞬」です。腐海に低木林や草原(?)が存在しないのはこうした爆発的成長に起因すると思われます。では何故ここまで爆発的に成長するのか。
お晩です。今宵の漫画版 #ナウシカ 考察は、お題箱でリクエスト頂いた、ナウシカ達における「家族」の位置付け見ていきたいと思います。と言いながら実は、漫画版においては「家族」に関する描写は意外な程シビアーよくて淡白なものになります。
次に問題となるのは蟲達の存在です。蟲は腐海の生態系の一部をなし、腐海に害なす存在(主にちょっかいを出す人間)を攻撃しますが、彼等ーことにその頂点たる王蟲ーが高度な知性を有するのは何故でしょうか?言い換えれば、何故こうした知性が「付与」されたのでしょうか?
まあ実際には二百年近くかかるスパンの話であり、また短期的には瘴気により土中の毒は却って活性化されるようです。重要なのは瘴気はあくまで副産物・途中経過であり、それ自体が腐海の主目的では無いという点です。