でも、この作品…特にマンガ版は誰がどう見ても「色モノ」な作風なんだよ。
描いているテーマが働き方の話で、人手不足な業界が人を集めるために折れ始めた世界の話なのにだよ!?
「お前ら」が喜ぶかわいい女の子がもうやりたい放題の作品だから…社会派として評価されてない…。
「魔王様と結婚したい」の何がすごいかというと…
・二次元ラブコメ特有の寿命差愛/異種愛/身分差愛
・リアリティ補強としてのメイドが間に入っての両想いと不器用な二人組のバカップルっぷり
・視点が高嶺の花に近づいてるオタクに限りなく近い
二次元と3次元がいい意味で交差してるんだよなぁ〜
いきなり、寿命差とか異種愛とか言っても伝わらないかもしれないから、まずここの説明から。
もし、人間より寿命の長い種族(魔王)が人間と恋することになったら死別前提なんだよ。
「死がふたりを分かつまで」
は100%寿命長い方が看取ることになる。
だからこそ、愛に覚悟が問われる。
「人間でも、おっさんと若い女の子が付き合えばほぼ100%看取るのは女性では?」
と思われるかもしれないけど、この作品の異種族はこれがもっと極端になる
というのも、子どもの頃から世話してた人間が魔王を異性として好きになるということが出てくる。
人間同士では描けない関係性
そうなるとややこしいのが、人間は年頃になったら女性として魔王を見るけど、魔王は「お母さん気分が抜けないし、寿命さもあるし、種族も違うから惚れられても困る」…という不思議現象が起こる。
異種愛の業の深さであり、愛の重さが一番乗っかる設定をこの作品では採用されてるから…尊い
具体的にどう増しているかというと、恋人には絶対見せないところを間にいる人物を介してみせたり、恋に後ろ向きな時にさりげなく応援したり…そういう気遣いをする人が入ることで、ラブコメのシリアスや思い詰めた部分が薄まるんです。
二人きりだと態度で表せない部分まで描けてる。
キューピッド役のすごさはもう1つ。
人の恋路って基本は応援してても、うっとうしいと感じる部分もあるんです。
それを代弁してくれているのが、いいんです。
熱々だけでなく、白けてる部分や他人事に読んでる人にも「今こう思ってますね!」ってえぐってくる感じが、この作品ならではのすごみ!
最後は主人公が「オタクが片思いした時にかなり等身大」ってところですね。
オタクが片思いすると、女子からすると
「むしろ硬派だったやつが突然、キモチワルイほどあっけらかんに恥ずかしいこと言うやつに…」
となりやすいんですよ。
故に痛いし、怖いし、強いんだけどね
オタクって好きな子に一方的にカワイイカワイイ言いまくるの好きな生き物だし、好きなことについて喋りだす(考えだす)と際限ない人多いから…ヤバイやつ感倍増なんですよ。
それだけに、読んでいて、エモさ倍増!
愛情表現してる男に共感できてしまうと魔王様も自ずとすげーかわいく見える。大発明
こんまり先生の「片付けは残すものを選ぶこと」というセリフを聞いた野球ファンのぼく
「あ、WBC09の原辰徳監督の【削るという作業をしていません。必要な選手をピックアップしました】って圧倒的に正しかったんやなぁ…」
と。…いやホンマに。
こんまりさん!!
これだけは賛同できないよ!!!
これをADHDの人間がやったら本当に大変なことになるから…マジで賛同できない。
かばんに無駄なものが入るリスクは同意するけど…発達障害の貴重品の管理できなさはほんとあかんって…。
生活に関わるからこれだけは取り入れられん…