同時に、これって異世界転生モノの文脈でも面白い作品でキャラがかなり強いんだよ…。
異世界転生モノの中でもなろう原作作品や、なろうを模した作品はキャラの能力はともかく、性格は無個性な人が多いけど…むしろキャラの性格的な魅力で読ませるのがかなりユニーク。
流石に飯島さんがキレる回もある。
この2つのセリフって自分が若かったり有能なら南くんに共感しやすい。
でも、飯島さんの言い分は仕事すごく大人で、大人になるとしないこと決めるほうが大事とも思う。
「することだけでもとても多いのだから、しないこと決めるのがいかに大事か」
と。
上司もその辺わかってて、南くんという安請け合いしてくれる人を経由して飯島さんに仕事振ってくる。
ブラック企業経験から、最初この二人がトラウマをえぐるほど
「職場って結局自分のペースや決まり通り働けないからクソやねん!!」
と読んだ。トラウマえぐる程度に実際リアル!!
漫画の話に戻そう。
実際、漫画で描いてる極端な設定は男からすりゃギャグだし、フェミニスト的にもファンタジーだろう。
ただ、これが女性の多様な性への意識を遠回しに描いてて無視できない側面もあり、少数意見や認識の違いを聞いて読むと多様性の1つでもある。
だから哲学的だなと思える
キューピッド役のすごさはもう1つ。
人の恋路って基本は応援してても、うっとうしいと感じる部分もあるんです。
それを代弁してくれているのが、いいんです。
熱々だけでなく、白けてる部分や他人事に読んでる人にも「今こう思ってますね!」ってえぐってくる感じが、この作品ならではのすごみ!
具体的にどう増しているかというと、恋人には絶対見せないところを間にいる人物を介してみせたり、恋に後ろ向きな時にさりげなく応援したり…そういう気遣いをする人が入ることで、ラブコメのシリアスや思い詰めた部分が薄まるんです。
二人きりだと態度で表せない部分まで描けてる。
いきなり、寿命差とか異種愛とか言っても伝わらないかもしれないから、まずここの説明から。
もし、人間より寿命の長い種族(魔王)が人間と恋することになったら死別前提なんだよ。
「死がふたりを分かつまで」
は100%寿命長い方が看取ることになる。
だからこそ、愛に覚悟が問われる。
ギャグと差別の 境界線を考えさせられるような漫画です これで面白いっていうのは少なくとも僕は気が引ける
一緒にお風呂入って「これやったら危ないよ」とネットで調べて気づいてすごく心配になる。
こういう描写すごくいいと思います。
同時に、これを犬猫でやると読者がイラツイて炎上させるから架空の動物で、「こいつ鳥みたいな羽があるから本当は良くなかったかも」
みたいな落としどころ、素晴らしい
主人公が「白星クロエ」という名前にちなんで、白黒つけたがる性格なのはフィクションとしてわかりやすくていいのに加え…ネット(浮世)にはこういう人多いんですよ。
題材がとても今の世の中にマッチしてる。
これを生き辛さとも一理ある部分だとも捕えて作品に落とし込んでるのとても読む価値ある