あとは阿久津邦彦の話がかなり貴重だと思う。もともと漫画が好きだったわけではないが漫画以外の芸術的素養を備えており、その感性をもって漫画作りに関わっていくうち漫画にのめり込んでいったという経緯は白井勝也とよく似ている。立ち上げた作品の一覧を見ると「おお……」となるよね。
オレの大好きな「自分の手牌から抜かれて国士をツモられてるのに泣きながらショーちゃんにお礼を言う南アンコの男」です。そんなに鉄竜さんが怖いなら差し込んでやれや。
ちなみにこれは実体験だと仰っておられました。使いまわしたり繰り返し書いたりするネタにはそういう傾向があるっぽい。
この「三面待ちを邪魔するツモ」理論はイーペー四暗とは真逆の、来賀さん以外に作ったり主張したりしている人を見たことがないスーパーオリジナル闘牌なんですけど、これも結構いろんな作品に出てくるんですよね。たぶん来賀さんの麻雀人生のなかでこの形にまつわる強烈な体験が何かあったんだと思う。
「保証をつける」好きなんだよな。麻雀スラングとしては「保険をかける」のほうが一般的だと思うが、手垢のついた言い回しを簡単に用いることをよしとせず、いつも一捻りして印象的なフレーズを生み出していくのが来賀節だった。常套句なきところに常套句をつくる来賀マジック。
天牌外伝読み直し期がまたやってきた。ここ初めて読んだとき「言いすぎじゃない?」と思ってそれ以降意識するようになったんだけど、はっきり覚えてるだけでも3回はあったはず。この巻の発売が2005年なので18年に3回? 確かに珍しいけどそこまででもないな。
O・C・ホイは初期猿作品の忍穂井純二弄りの中でも本当に好きなやつ。ヤンジャンの『ハッピーピープル』でもネタにされてたし愛される編集者だったんでしょうね。
猿先生ともAKIRAともあまり関係ないが、この格言を見るといつも引若丸のことを思い出すし「東の始めに高し」「南の終わりに速し」はなんなら今でも使ってるな。