ヘルファイア・ガラでの大虐殺のあと、どういうわけか機能を停止したはずのゲートに、ケイトだけ潜れるようになるのだが…
じゃあ今度は、ケイトだけが特別で、他のミュータントがダメになってしまったのか?そんなはずはないのだが…今の彼らの凝り固まった思想に、これがどう作用するか
あくまで志の物語なので、多くは語らない。この辺りは、不親切だというよりは、世界観の演出としてよく出来ていると思う。
ヤクの売買なんて、「少年ジャンプ時代の」ジョジョなら決して許さないだろうし、ジョディオの兄ドラゴナがトランスジェンダーだというのも、これまでにない設定だが、
今になって読んでみると、カラッとしたキャラクターたちが、鳥山明らしい軽快な掛け合いで大冒険を繰り広げる、実に気持ちのいい作品だということがよく分かった。
世界観とか機械の造形とか、趣味モリモリって感じだけど、「そこがいい!」
それでいて、こんな退廃的な世界でも己の欲を満たそうとする人間たちの愚かしさや、その中に僅かながらにある勇気…
そんな普遍的なテーマを、悪魔だからこそ「偏見なく」人間たちを見る主人公たちの目線で描いてもいるのよね。
戦争、分断、差別。ありがちな言い方だが、「今みた読みたい作品」