原百合子先生『繭、纏う。』最新話。
星宮を卒業してから大好きだったの人の名前を忘れて宛名のない手紙を書く少女の話。
そんな彼女にかけられる
「髪の毛はまた伸ばさないの?」
「誰かとの繋がりが欲しいならもう一度つくってもいいんだよ」
の言葉に星宮と髪の関係が思われて鳥肌がたちました。
しろ先生の新連載『カメラ、はじめてもいいですか?』。
やりたいことが見つからず何か変わるきっかけを探していた女子高生のミトが
「人生観を変えてくれるくらいのすごい景色が見てみたい」
とカメラを構えるチサトさんに出会い、彼女のモデルとしてまだ見ぬ景色を一緒に見に行く物語。
物語はひまりと視点と依の視点が交互に入れ替わって進んでいきます。
互いに"ひとめぼれ"をした二人ですが、入れ替わる視点を通してひまりが依に対して抱く気持ちと、依がひまりに対して抱く気持ちの違いがわかっていくという素敵な構図。
今後どうなっていくのか続きが気になります。
撮られる喜びと撮る喜びを知ったからこそわかる現実、わかってしまったがゆえもう元には戻れない苦しみ、それを越えて人と向き合おうとする叫びといった諸々が混ざり合う素敵な青春作品です。
3月19日の百合文壇バーはカメラ百合特集。
ということで町村チェス先生『フォーカス&コントラスト』収録の『ゾーンフォーカス』。
【あらすじ】
写真学校に通う19歳のハルは、元スタイリストである年上の友人・きょうちゃんのミステリアスな魅力にとりつかれ、写真を撮り続けていた。
エドワード朝期の主人とメイドを描いた森薫先生『シャーリー』にも時を超える思いが描かれておりますが、そういう百合がお好きな方にオススメです。
なので『古代戦士ハニワット』はたとえば『源氏物語』とか『伊勢物語』の流れに位置する大きな物語なんですよね(自分でも何を言っているのかわかりませんが理論的には多分そうです)。
ご興味のある方はぜひご一読を。
百合的な見所としては。
ドグーンにまつわる事故で亡くなった姉の真相を知るため
高校時代に付き合っていた元カノの結婚式で出会った素敵な女性が、実はその元カノが大学時代に付き合っていたいた恋人で…。
というえっちゃんとあやさんの社会人百合(志村貴子先生『どうにかなる日々』収録)。
情事の後の二人のブレイクタイムのシーンが自然な雰囲気でとても素敵です。
大久保圭先生『アルテ』最新話。
カスティリャ王女・イレーネの肖像画を描くため彼女の心の内を引き出したい望む画家アルテ。
その思いに答え自らの過去を語ったイレーネの過酷な生い立ちに圧倒されつつも、アルテが彼女に対し改めて人となりへの尊敬の念と好意を深めるくだりの描写が素敵でした。
今週号のヤングジャンプに掲載されていた雪森寧々先生『久保さんは僕を許さない』も素敵でした。
憧れていて、そばにいたくて、独占したくて、、、
という色々な感情がないまぜになって分けることのできない"好き"の描き方が素晴らしいのでご興味のある方は。