地雷によって左足の小指を失った亡命者だと打ち明けた先輩に
「キスしてもいい?」
と聞いて口づける後輩のフェティッシュ百合。
中村明日美子先生『メジロバナの咲く』
メイドに見えるけれどこちらは侍女。
家につくメイドと人につく侍女は根本的にその性質が違うのだとか。
好きな女性を大事にしたいけれど家を優先しなくてはいけないという立場があって、ジレンマに引き裂かれるメイド百合よいですね。
瑚澄遊智先生『Dear Emily...~da capo~』。
孤児院育ちのメイド・エミリーが奉公先のコーレスタン邸で美沙璃お嬢様、同じ孤児院育ちのビアンカ、監督役のロゼらと交流していくお仕事漫画です。
恋愛感情はないですが、『ARIA』のような優しい日常作品が好きな方にオススメです。
というわけで個人的に好きな人妻百合作品、片倉アコ先生『昼下がりに、また。』より、感情をもてあます人妻たちの素敵なシーンを。
触れ合った温もりの余韻に引きずられて未知の領域に踏み出していく女性、素敵です。
「私たちは同じじゃない。でも私たちは一緒よ」
「あなたからもらう喜びは私の中にとどまって私を幸せにする」
などなど。
想いを伝え合う二人のやり取りがとても素敵です。
秋60先生の短編集『桃源郷で待ち合わせ』。
表題作の『桃源郷で待ち合わせ』で描かれる関係が素敵です。
クラスの人気者だったはるかとみなみ。そんな二人を憧れと共に見つめていた主人公はじめ。
中学を卒業して以来、久しぶりにはじめとはるかと言葉を交わす場面から始まる短編。
成家慎一郎先生『フードコートで、また明日』。
一見優等生で話しかけ難い雰囲気を醸し出すけれど、実はアプリゲームにキャラクターに夢中な夢女の和田。
ギャルのような見た目で周りから怖がられるけれど、英語の勉強を欠かさない努力家で家では弟のお弁当も作っているという面倒見のいい山本。
家につくメイド。
人につく侍女。
人を優先するという視点で見ると
「たとえ家が滅ぼうともあなたの意思を尊重する」
という侍女ルバさんの覚悟はとても素敵。
課題図書にはしませんがメイド百合を考える時に面白いので、冨明仁先生『ストラヴァガンツァ-異彩の姫-』ぜひ読んでみてください。
本日の百合文壇バーはやすさん(@smallofuniverse)による浅野いにお先生『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』レコメンド回。
絶対百合領域をテーマにレコメンドして下さるそうなのでお楽しみに!
時間:20時30分~
場所:シアターPOO
新宿区新宿3-35-5守ビル3F