そうした"二人で過ごす時間を積み重ねていった先にある何か"について印象的に描写されているのも素敵です。
共にいるポジティブな未来を二人が同時に想い描く姿に百合を感じることができるかと思うので、お好きな方はぜひご一読を。
それまで交わらなかった三人がある事件をきっかけに絡まっていく様子が素敵です。
登場人物の感情が交錯するあまり冒頭で吐露される
「あなたのことがこんなにも憎くてたまらないのに私にはこの愛を終わらすことができないのです」
というセリフが三人の中の誰の言葉かわからず、続きが気になります
永遠と刹那が入り交じる耽美な作品がお好きな方は是非ご一読を。
個人的に4巻で好きなのは主人公の一人・洋子とその友人・玲奈のやり取り。
玲奈が洋子をポラリス(北極星)にたとえるくだりで三浦しをん先生の「君はポラリス」を思い浮かべてグッときました。話はそれますが「君はポラリス」収録の
亜生もまた加賀ちゃんの存在に励まされながらかつて諦めた漫画家の夢にもう一度向かっていくのですが、そんな二人の姿が素敵なのでご興味のある方は。
谷中分室先生『ボーダレスネーム』
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議員を父に持つ美月は、事故で亡くなった兄の代わりに父の跡を継がせようとする厳格な母親に縛られ次第に人を寄せ付けなくなっていった女子高生。
一方の真子は事故で母を失い、怪我をした父の代わりにバイトで家計を支えつつも笑顔を失わず沢山の友人に囲まれる女子高生。
あるいは奇妙な縁で繋がった人妻の木内海に自身の破滅と隣合わせの恋をしたり等々。
これだけ見ると恋多き女性に見えますが、その根本には
シイノが遺骨と共に一人海を目指す現在の情景と、二人で過ごした過去の情景の対比が切ないです。
今はなきマリコに向けて
「あたしにはあんたしかいなかった」
とシイノが告げる言葉と共に二度と戻らない二人の関係を見ていると、読んでいるこちらもいても立ってもいられなくなる想い。
卒業式の日帰り道
3年間いつも隣にいた友人に
キスされた
から始まる一点突破漫画賞受賞のhino先生『リンゴうさぎの捕まえ方』。
高校生活最後の日に親友から突如明かされた恋心、その日を境に変わっていく二人の関係、やがて訪れる結末。
学生らしい初々しい恋心が素敵な短編でした。