ダブルキャストに振り回された山県沙織と武内実花子が時を経て複雑に絡まった想いを氷解させる志村貴子先生『淡島百景』のシーンが素晴らしい。 
   「神を許さない」
というストーリー素敵ですね。
『愛されなくても別に』、『ミーツ・ザ・ワールド』等々たとえ血が繋がっていても世代間のギャップは埋まらずもはや安住の地ではない"家族"から逸脱する二人の女性の絆の物語が増えてきましたが時代なのかなと思います。 
   かわもとまい先生『アンリの靴』。
お姉ちゃんのおさがりばかりで自分で選んだものを身に纏うことがなかったはるかちゃんのために、主人公のあんりが彼女のための靴を作ってあげるくだり。
「年上の女性に認めてもらうことが女の子にとっての一番の喜び」
という文言を思いでしてじんわりします。 
   体だけでは心は通じ合わず、触れたところから全てが流れ込んでしまえばいいというジレンマを抱えながらも
「セックスにそんな力はないことを知っている」
女の子たちがなんとか"心"を繋ぎたいという、肉体描写があるからこそ描ける心の描写に溢れていてとても感動してしまいます。 
   彼女の才能に叶わないことに傷ついたリカ先輩は響を一度気絶しますが、誰よりも身近で響の才能を認めていたからこそ、その後で響を受け入れたいと願うシーンが素敵です。
響もまたリカ先輩をかけがえのない存在と思っているシーンもあり、秀才と天才がおりなす関係性にやられる作品。 
   何かを失い続けるのっぴきならない絶望の中で、体と心にまつわる解像度の高い会話を繰り返しながら雪乃と節子は特別な関係を築いていく。
というのが本作の特徴かと個人的に思っているのですが、 
   『セイキマツブルー』の主人公・高坂と遠峰を分かつその"体験"は、魚喃キリコ先生『blue』において桐島と遠藤の間に生んだ"体験"と類似性を持っているのですが。 
   「ミコチのいない間すごく静かだったよ」
と言った後のハクメイの独白もまた良いです。
おっちーさん(@miz_otty)による『マンガで都市研究  ハクメイとミコチ回』。
建築の側面から『ハクメイとミコチ』が表現する世界観を考察していて面白いのでよろしければご一読を。
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   北条司先生の『ファミリーコンポ』を読み返して閃いたことがあり。
昨晩から一睡もせず。
過去著作のコマを継ぎ接ぎに継ぎ接ぎを重ね。 
   『あの娘にキスと白百合を』完結巻。
主人公の一人・白峰さんがこれまでシリーズに登場した人物たちに
「あなたに大切な人はいますか?」
と尋ねながら、もう一人の主人公・黒沢さんとの関係を考えていく構成。
様々な登場人物との関わりを通して二人の過ごした年月が感じられる素敵な完結巻でした。