三浦しおんさんから献本がありました。ご本人と対談したのはまだ直木賞作家でないときでした。「ザ・ワイド」(日本テレビ系)時代を「週刊新潮」のコラムで評価してくれたのがきっかけで、大塚の寿司屋でお会いしました。『人生激場』(2003年)収録。最近はレインボーパレード🌈で再会したのでした。
20数年前に亡くなったひとりの男性が現代に蘇り、人物像がくっきり立ち上がる。文章力のすごさです。山田稔さんの「同僚ーー生田耕作さんのこと」は、いつもの名文で、まるで映画を観るように情景が動き出します。この傑物は1950年代に「ますます衆愚化する日本社会を呪い」ました。爾来70年近くです。
機内で来月83歳になる津野海太郎さんを特集した『本の雑誌』を読んでいました。年譜を見ていたら、70歳になったとき(2008年)「この頃、老いが本格的に到来したことに気づく」とあります。全共闘世代のある知人は80歳まで仕事をしたいと計画しています。先輩諸氏の実感を聞こうと思いました。
藤田省三さんは、ヨーロッパ社会では19世紀から「現代的大都市」の「切断面」や「裂け目」(石原吉郎)を、写真の鋭い眼で捉えていたと分析しています。森山大道さんも藤原新也さんも、日本社会の「裂け目」を記録しています。
「週刊文春」。上間陽子さんのしなやかで内実は剛気なエッセイは、本土の新聞や週刊誌の書評に出ることで、沖縄の歴史的な祈り(怒り)が静かに広がっていきます。問われているのは本土に暮らす〈わたしたち〉です。
上間陽子『海をあげる』の書評は武田砂鉄さん。この本の意味を人間の信頼と言葉の関係から、みごとに紹介しています。18日からの通常国会。言葉が枯れている、あるいは不在の世界で、暮らしの声を掬い取る力が問われているのだと自戒します。上間さんのエッセイは、石原吉郎や石牟礼道子に通じます。
バイデン大統領が誕生すれば北朝鮮政策は、オバマ時代のように「戦略的忍耐」路線に戻るのだろうか。トランプ大統領のような前のめりの行動はしないだろう。拉致問題にも関心があるとは思えない。日本政府は原点に戻り、独自の課題として行動することだ。「日本人妻」、残留日本人の一時帰国を求める。
質問主意書をとりあえず3本出しました。
① 菅義偉政権と拉致問題に関する質問主意書
② 田中実さんと金田龍光さんに関する質問主意書
③ 北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者に関する質問主意書
いま④を準備しています。