納涼怪談といえばウィリアム・フライヤー・ハーヴィーの『炎天』ですね。
日野日出志『うろこのない魚』のほか、楳図かずおや水木しげるの翻案もあったと思う。
「まったく息詰まるような暑さだ。これじゃどんな人間でも頭が変になる」 
   壁の穴から腕が抜けなくなった男いる。
恥ずかしそうな佇まいに同情して抜くのを手伝ってやる。
男の腕を掴み、もう片方の手を壁に押し当てると、自分の腕が壁に吸い込まれていき、男の腕が抜けた。どうやらそういう仕組みらしい。
男は喜んで立ち去っていく。
途方に暮れて立ち尽くす自分。 
   若くして病没した作家、湊谷夢吉の『粗骨の果』より一コマ。
川崎ゆきお、とり・みき、つげ忠男、根本敬と。左奥のサングラスの元ネタは誰だっけ? 
   @IngaSakimori コマごとに俯瞰したり仰角したり繋ぎのカットを挟んだりっていう漫画のテクニックは、誰が発明したんですかねぇ。