「らーめん再遊記」1巻
斬新な創作ラーメンで一時代を築いた芹沢さん。いつしかミドル・エイジ・クライスに陥り、町の中華屋さんに安息の場を求める。
昔ながらのラーメンをすすりホッとして呟く。
うまくもまずくもない、それがいいんだ。
追い求め叶えたはずの夢に疲れ、人生に迷い惑う姿が切ない。
「凪のお暇」8巻
雪深い故郷で過ごす凪。田舎の閉塞感を打ち破ろうと色々チャレンジするが上手くいかない。
その姿は母親から見れば30年前の自分。地元の人間関係に縛られ苦しみながらゆっくりと腐らせてきた自分の人生。
娘の成功を祈りながらも、失敗する姿を見て安心してしまう自己矛盾。
切ない。
「凪のお暇」8巻
東京でミュージシャンの卵に恋をした凪の母親。将来を約束したのに、凪を妊娠すると逃げてしまった。仕方なく帰郷して苦労を重ねた母親。
この子は絶対に固い職業の人と結婚して欲しい。そう祈りながら育てた娘は、同じタイプの無職ミュージシャンに恋をした。
母親の絶望感が切ない。
「凪のお暇」8巻
シングルマザーとして苦労を重ねてきた母親。
「私ができたことはお母さんにとって」
「失敗だったってことなの?」
突き刺さる娘の言葉。
失敗続きの人生で、唯一の成功が娘を授かったこと。
かわいい娘を正しく導きたいのに、上手くいかず疎まれてしまう悔しさに涙を零す。
切ない。
「めぞん一刻」157話
響子さんに必死のプロポーズを断行するものの撃沈する五代くん。
掲載された1987年頃はまだ、「味噌汁が飲みたい」が求婚の言い回しとして健在だった。今だとTwitterとかでフルボッコに叩かれるかも…。
ちなみに私が独身なら、どんな時代どんな言い方でもプロポーズは大歓迎だ。
「北斗の拳」1巻
僅かな食料を奪い合う荒廃した世界。
米が栽培できれば争いは無くなる。
命懸けで種籾を村に持ち帰る老人。
「…今日より明日…」
「久しぶりに人間にあった気がする…」
この言葉は中学生の私に衝撃を与え、人生観を形作った。
私は人間として生きられてるだろうか。今日も自問する。