勝小吉17歳。小吉は番場町の男谷兄弟に、平山行蔵先生の話を聞きます。団野(直心影流)に弟子入りして稽古に励みながら、小吉は平山先生と近付きになりたいと考えますが…。
マンガ『夢酔独言』三十一話(1/4)
#漫画が読めるハシュタグ
(2/4)
「翌年正月、番場へ遊びに行ったら、新太郎と忠次郎が庭で、剣術を使っていた。おれにも使えと言うから、忠次郎と使った。出合い頭にひどく胴を切られて、気が遠くなってしまった。
それから二、三度使ったが、一本もぶつことができぬから悔しかった。」
#はやおき訳
(3/4)
「それから忠次に聞いて、団野道場(直心影流)に弟子入りした。先に弟子入りしていた先生からはやかましく言われたが、気にしなかった。
それから早く上手になろうと思って、他のことは何にも構わず、稽古にばかり精を出した。」
(4/4)
「四谷伊賀町の横町組屋敷に、平山行蔵という小普請の御家人が住んでいた。近年稀に見る武辺者で、学問にも秀でていると、当時の人々の評判だった。
ある時、おれの友達の鷹巣という人が、水心子天秀という刀鍛冶に刀を打たせた。おれはそれを借りて、平山先生に会いに行くことにした。」
テステス、要約漫画4ページ目が、おおむね埋まりました。
快適居候生活から連れ戻され、座敷牢で手習いしてるうちに息子が生まれて隠居して摂州へ旅立つ小吉。
#夢酔独言
勝小吉17歳。四谷伊賀町に住むという武芸者・平山行蔵先生を訪ねます。先生に気に入られて、度々訪ねる小吉。ある時先生に、大嫌いな学問を勧められた小吉は…。
マンガ『夢酔独言』三十二話(1/4)
#漫画が読めるハッシュダグ
(2/4)
「内弟子の栄次郎というのが出て、
『平山行蔵先生は体調が悪く寝ておられるから、残念ながら会うことはできませぬ』
と言われた。仕方がないから、借りた長刀を栄次郎へ預けて、再度訪ねると約束して引き返した。
すると、栄次郎が追いかけてきて、
『立派な太刀を忝のうござります』」
(3/4)
「ある日、平山先生を訪ねたら、おれに飯を食べるよう仰って、茶碗の欠けたのに黒米を盛って、味噌を少し付けたのを、古い盆に載せて出してくれた。それを五、六杯食ったら、先生はおおいに笑って、我が屋敷を訪ねてきて、こんなにたくさん食したのはあなたが初めてだと仰った。」
(4/4)
「おれは学問が大嫌いだから、
『少しもいたしませぬ』
と答えた。
先生は、
『それはいけない。学問は英雄の下地であるぞ』
と仰られたが、
『仕方なく少しは始めたこともありますか、とにかく気分が悪くなります。尊敬する先生の仰せではござりますが、こればかりは承知できませぬ』」
勝小吉18歳。平山行蔵先生の元へ通う一方で、剣術の腕を上げ、同流派での勝負に物足りなさを感じます。そこである時、他流派との試合を思いつきますが…。
マンガ『夢酔独言』三十三話(1/4)
#漫画が読めるハッシュタグ
(2/4)
「平山先生は、
『手前も今は年老いて、いつも強者の話はするが、己の手際を見せることはない。口では誰でも言えると、あなたも思うだろう。十八の武芸の手を見せてあげよう。何でも言ってみなされ』
と仰った。
おれは、
『まず一番に、野太刀を使って見せてくだされませ』
と言った。」
(3/4)
「早く上手になろうと思って、他のことは構わず稽古ばかりした。翌年には、団野の伝授も二つもらったよ。
それからあんまり叩かれないようになってからは、同流(直心影流)の稽古場へ毎日顔を出した。大勢がおれを知って、皆おれと使いたがった。」