（２／４） 「大坂へ行って、町奉行の堀伊賀守の用人で下山弥右衛門というのに会って内談をした。下山は江戸でいろいろとおれが世話した男で、孫一郎の家のこともよく知っていた。 村へ帰ると代官が、 『大坂のどなたの所へ行きなさった』 と聞くから、 『町奉行はおれの相弟子だから、訪ねてきた』」

（３／４） 「二、三日過ぎると、大坂から大勢の供廻りの使者が村に来て、伊賀守の口上を述べて、酒肴やいろいろな贈り物を置いていった。村中がそれを見て驚いて、 『夢酔様はお奉行様と親しいようだ』 と抜かして、それからは竹槍や取り巻きをやめたから、おかしくってならなかった。」

（４／４） 「それからは少し恐れ入ったようすで、金を用意すると聞いたから、もはや大丈夫だとにらんだ。 代官に能勢妙見へ参詣すると言って、供には、村でこれまでおれに敵対したやつらばかり連れて行きたいと話した。」

勝夢酔（小吉）３８歳。摂州の村で交渉中の夢酔は、反発する村人達を連れて能勢妙見へ行きます。「おれが祈ると必ず大雨になる」と言う夢酔ですが…。 マンガ『夢酔独言』百十六話（１／４） #漫画が読めるハッシュダグ

（２／４） 「おれが新右衛門に、 『雨具を各自持参するように』 と言ったら、 『この頃は気候がいいから、五、六日は降らないでしょう。雨具は要りませぬ』 との返事だった。おれは、 『昔から妙見を信仰しているから、おれが祈ると必ず大雨が降るのさ。是非とも持って行け』 と言いつけた。」

（３／４） 「その日はひときわ暖かく、袷一枚で山に登るにも汗が出るくらいだった。それでも雨が降るとは誰も思わないから、雨具持ちが腹を立てていた。 麓の茶屋へ駕籠を預けて、二十五町、頂上まで登って、ようやく妙見宮へ来た。水行をして本堂へ行ったら、大勢がおれの御紋服を見て驚いていた。」

（４／４） 「おれは、 『下の旅籠屋に着くまで、降らせたくないものだ』 などと言って、急いで山を下った。 二十五町の峰を下りると、大雨が降ってきた。旅籠屋までは三町ばかりあったから、供の者はびしょ濡れになった。おれは駕籠の中だから困らない。」

元は彼が治験を受けて歩けるようになって戦争に駆り出された後の回想として考えたお話なので、苛烈な体験により記憶が失われて、作中に彼女の名前が出てこないとゆう訳です。

友達とのチャット。 お互いアバター（仮想空間上の自分の仮の姿）を立ててやりとりします。

こーゆう生活感のある場面は好きなんだけども、主題から外れそうだから省くくだり。 また別の機会にとゆうことで。

勝夢酔（小吉）３８歳。江戸での支払い期限が迫るなか、摂州の知行村で交渉を続ける夢酔。村方役人を招いた宴会を催します。 マンガ『夢酔独言』百十七話（１／４） #漫画が読めるハッシュタグ

（２／４） 「『村中が雨のことで驚いて、皆の気が変わったようでござります。どうにか、金が出来そうになってきました』 と聞いたから、おれも喜んだ。 しかし翌晩また村の様子を聞くと、金を出そうという者と、出すまいという者半分ずつになった、ということだった。」 #はやおき訳