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「翌年夏だが、遠州掛川外れの、天宮大明神の神主・中村斎宮の息子で、帯刀というのが、国から江戸へやって来た。」
 #夢酔独言 
   勝小吉21歳。二度目の家出旅に出て遠州掛川に滞在しますが、甥の男谷精一郎が迎えに来ます。帰宅後、小吉は座敷牢に入れられることになり…。
マンガ『夢酔独言』五十二話(1/4)
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「またある時、長谷川寬次郎が斎藤監物という者に会って金談をした。長谷川は金が借りたいから、酒を出してもてなした。
話しているうちに、斎藤が銀山で採れた銀の吹き寄せを見せたら、長谷川も珍しがって、
『家の者に見せよう』
と言って見せて、元の座敷へ戻って銀をそばへ置いた。」 
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「その後間もなく、六百両金ができたから、山口の家は持ち堪えたが、今は三十俵三人扶持ぽっちだから、困っている。江戸の掛屋にも千五百両ばかり借りがあるから、三人扶持は掛屋行きだ。
そんな具合だから、今でも山口の子が月々、おれを訪ねてくれる。」 
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「『お兄様がここしばらく、お前の世間での様子を残らず聞き取ってなさりました。そして放ってはおけぬと心配して、今度庭に檻をこしらえてお前を入れると言いなさる。いろいろと皆が止めたけれど、少しも聞き入れずに、昨日出来上がったところなのよ。〈中略〉庭へ出てみなされ』」