変わり市松:海松(みる)と色紙。
明治~大正時代頃の、地白の型染木綿です。
四角の中に七宝が描かれた市松模様の、変形と思われます。
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「寒稽古の夜潰しをやる日、師匠から許しが出て、出席した者が各々食い物を持ち寄った。おれも重箱に饅頭を入れて行った。
夜九つ頃になると、稽古を休み、皆が持参した物を食い始めた。おれも旨い物を食ってやろうと思っていると、皆が集まって、おれを帯で縛って天井に吊るし上げた。」
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「その後ふた月ばかり、亀沢町は通らなかった。ある日、同町の繍箔屋の辰というやつが、門の前を通りおったから、なまくら脇差で叩き散らしてやった。」
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「だがとうとう傷も治り、七十日目に床を離れた。
それから今に至るまで何ともないから、病人は看病が肝心だよ。」
   天保二年(西暦1831)。小吉の9歳になる息子の麟太郎が、犬に噛まれて重症を負った。小吉が医者に容態を聞くと、今晩にも命が危ないという…。
マンガ『夢酔独言』七十三話(1/4)
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「地主が、篠田という外科を呼んでくれた。そこで傷を縫ったが、医者が震えている。おれは刀を抜いて息子の枕元に突き立て、二人に睨みをきかせたから、息子は少しも泣かなかった。
ようやく、傷が縫い終わった。医者に容態を聞いたら、
『今晩にも、命が持つか分かりません』
と言う。」
   7歳でスカウトされ、将軍の孫のお相手として江戸城で暮らしていた麟太郎(小吉の息子で後の勝海舟)。
2年後の天保二年(西暦1831)、お役目を終えた麟太郎が、勝家に帰ってきます。
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   (3/4)
「亭主はいいやつで、その晩は泊めてくれた。
翌日、
『まず伊勢の大神宮へ行って、旅の安全を祈ってきなさい』
と言われた。物乞いでもらった米と麦とを三升ばかりに、銭を五十文ほど、亭主に礼としてあげた。」 
   (3/4)
「その明くる日、二子山まで歩いたが、日が暮れるから、その晩はそこで寝た。
明け方、三度飛脚が通りかかって、
『手前は夕べ、ここで寝たのか』
と聞いてきた。
『あい』
と言ったら、
『強いやつだ。よく狼に食われなかったな。今度から、山では寝るな』」 
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「岩の角で金玉を打って、気絶していたらしかった。
翌日、ようやく意識がハッキリしたが、金玉が痛くて歩くことができない。
二、三日経つと、少しマシになった。そろそろと物乞いしながら歩いたが、箱根宿に差しかかると、金玉が腫れて、膿がたくさん出た。」