小僧が食べそこねた屋台（幸寿司）のすしは「辛口」でした。シャリやネタの酢や塩っけが強く、甘みが少なかったのでしょう。 一方、与兵衛のすしは甘いことで有名でした。

牛丼が記録に現れるのは明治１０年代ですが、これは明治１９年の「一人あたりの牛の屠畜肉量TOP５」 東京は一人あたり約６斤。これは大阪神奈川の２倍、京都兵庫の３倍です。 現在の一人あたり牛肉の消費量は関西が多いのですが、明治の初めは圧倒的に東京が「牛喰い」だったんです

その頃のかけそば一杯の値段が十銭程度(物価の文化史)ですから、ビール一本とお通しでで２５００～４０００円ぐらいの価格感でしょうか。

しかし、鰻飯の値段は１００文から２００文と高く、他の食物に比べるとステータスは高かったのです。 明治３６年の「最新東京繁昌記」（伊藤銀月） によると銀座竹葉亭では鰻飯の客は２階の座敷に上がらせなかったそうですが、それでも鰻飯は贅沢品でした。

そして昭和３年の「東京府」（注　↑のtweetの店舗数は「東京市」）の支那料理店は２８３１軒。ついに東京の伝統である寿司屋の店舗数（１７９１軒）を大幅に超えてしまいます。

全国放送の人気番組「謎学の旅」において、天ぷらポルトガル起源説が取り上げられました。 番組を書籍化した『TVムック謎学の旅　PART２』にその内容が収録されています。

”旧音楽堂の前の広場に、バラックが立ちはじめたなと思っていると瞬く間に増えて、いつか縦横の道をはさんで立ち並んだのである。荒物屋あり、酒屋あり、八百屋あり、魚屋ありで、面白いことに 中央には浴場まで出来たことだった。”

この高度な金属加工技術は、技術後進国日本が容易にまねることのできない技術でした。 ようやく国産化が開始されたのが、大正時代。 なぜ大正時代に可能になったのかというと、おそらくこれが原因。 成金を生んだ、第一次世界大戦特需。

湯木は鱧などの椀物や、あんかけ豆腐で葛を引く時に味の素を入れます。 普通の出汁には味の素を使わないのに、同じ出汁でもなぜか葛を引くときは入れるのです。これも説明がないので、その理由はまったくもって謎です。

実際、先程例をあげた戦前の資料には、焼鳥は下層階級の食物であると明記されています。 明治３７年の「実業の栞」では「下流の人ならでは目に止まらざる」つまり、上中流階級は無視する食物である、とあります。

萬世軒という西洋料理店には”潰し島田に瓦斯織の絞り模様”という、和風の女中がいました。服装が純和風なので「女ボーイ」とは言わず、日本料理店と同じく「女中」とよんだようです。

とはいえ気の利いた漫画評論などできないので食べ物の話をします。 田中角栄が世に出るきっかけとなった重要人物、大河内正敏。 漫画ではすき焼き屋に通っていた安西先……ではなく大河内正敏ですが、実際にはすき焼きが嫌いだったという話です。