恐らく、古賀新一先生の二作目
古賀申策・名義「不気味な目撃者」(「夜の牙⑮」(ひばり書房)収録)
強盗殺人犯の男。事件は迷宮入りするも、目撃者の男が彼の行く先々に現れる…という内容
ストーリーに若干無理があるものの、雰囲気の盛り上げ方が実に巧み
やはりスリラーが性に合っていたのだろう
「サスペンス&ホラー」(講談社)と共に、ホラー漫画雑誌の頂点を極めた(と勝手に考えている)「ホラーM」(ぶんか社)
良俗なんか歯牙にもかけないアナーキーさが身上で、多種多様な漫画家の「るつぼ」と化していた
2005年12月号の濃過ぎる面子を見よ!!
故・白土三平先生のコメントが最高にCOOL!!
「笑狂四郎捕物控」五作目「幽霊若衆」(「剣④」(わかば書房/150円)収録)
越後屋の使用人達が歌舞伎役者の幽霊に次々と殺されていく…という怪奇ミステリー
構図や背景等、凝っていて、かなりの力作だと思う
ういういしい女性キャラ(意外と可愛い)や、セリフに所々混じる関西弁が味わい深いです
神津美作・イラスト/豊島久雄・ストーリー「蝙蝠舘」(「漫画と小説」1968年2月号)
兄の死体を受け取る為、山奥の舘を訪れた侍。そこでは、彼の一族を恨む男が血吸い蝙蝠と共に待ち受けていた…という内容
物語・絵ともに荒みきっている所にC級怪奇貸本漫画のテイストを感じる
神津美作については謎
RIP とりいかずよし先生
と言っても、私の知識は非常に浅い
そこで、マイナーな「土曜漫画」掲載作品をご紹介
「えくそたしー」(1970年4/10号)
「便所おんな」(同年5/8号)
赤塚不二夫先生に言われたとはいえ、ウンコ漫画を極めたのは、やはりプロ意識の高さによるものだったのでは?…と考えている
スポーツ漫画には興味がないが、大貫哲義・原作/阿部兼士・漫画「挑戦兄弟」が気になっている
一話しか読んでないので詳細は不明だが、「サッカー meets 日本の古武道」な内容らしい
「少林サッカー」(未見)を先取りしてるかも…
当時(1969年)はサッカー人気がなく、埋もれてしまったのだろうか?
平田弘史「生霊の報復」(「魔像別冊怪談特集」)
破牢した侍が夫婦を斬殺、赤子を傷つける。後、彼は出世するも、妻子が死亡。呪いを恐れる彼の前に、成長した赤子が現れる…という内容
堅実な出来で、読み応え抜群
ただ、主人公のテンパり具合が、マイナー作家の巌太郎とダブってしまい、困っている
小学校~高校の間にビデオ・バブルを経験し、ほぼ毎週ホラー映画を観てきたせいか、怪奇マンガの中にホラー映画の影響を受けたコマがあると、何か嬉しくなる
でも、日野日出志先生の「ギニーピッグ」は攻め過ぎのような気が…
あと、顔をナイフで切り刻む描写はルチオ・フルチの「ザ・リッパー」のはず
矢代まさこ先生「ノアとしゃぼん玉」
「ノアをさがして」等、1970年頃の名作が勢揃い
「みずみずしい感性」とは陳腐な表現だが、そこに「シビアな観察眼」が裏打ちされている所が最大の魅力だと思う
心を震わせながら読み終えた後、後袖の自画像でズッコケる
矢代先生はきっとステキな女性に違いない!!